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第106回佐賀美術協会展(佐賀美術協会主催)が14日、佐賀市の県立美術館で始まった。全4部門の入賞・入選作123点と会員・会友らの作品150点の計273点が並び、佐賀の美術界の現在地を示す。23日まで。
最も出品数が多かった洋画部門は、有明海を描いた山下智樹さん(白石町)の「潮待ち」など身近な題材が多く見られる。会員・会友は安定した力量を示し、一般出品者の作品は発想と表現の新しさが印象的だ。
日本画は山里の風景を味わい深く写した前田美保さん(有田町)の「永遠に」など、自然と向き合う画家の姿勢がにじむ。審査員を務めた日本画家の西岡一義さん(佐賀市)は「若いうちはがむしゃらに描いて」とメッセージを送る。
彫塑は鉄や粘土など多彩な素材の作品がそろった。海津匡人さん(唐津市)の「思う壺(つぼ)」は、ウツボの口から手が生えたシュールな世界観が目を引く。
工芸は人間国宝(重要無形文化財保持者)の井上萬二さん、十四代今泉今右衛門さん(ともに有田町)らベテラン勢が存在感を示す。陶芸に加えて染色の作品も多く、高校生の表現力の高さが際立っている。
同協会の北島治樹理事長は「初夏のすがすがしい一日に、芸術に触れて豊かな時間を過ごして」と来場を呼びかける。(花木芙美)
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