150回の節目飾る1枚に 朝日小(武雄市)で伝統の席書会

150回の節目を迎えた朝日小の席書会=武雄市朝日町

 武雄市の朝日小(小川明浩校長、439人)で9日、伝統の席書会が開かれた。1875(明治8)年の学校創立から途切れることなく続き、今年で150回目。全校児童が参加し、節目の年にふさわしい渾身(こんしん)の1枚を書こうと筆先に気持ちを集中させた。終了後は来賓を迎え、記念式典も開かれた。

 体育館では4~6年生がそれぞれ「正直な心」「朝日の道」「自然の美」の課題に挑んだ。時間は40分あり、多くの児童は目を閉じて呼吸を整えたり、筆の持ち書き方を何度もイメージしたりした後、筆を走らせていた。

 記念式典には、課題決めや作品審査などで会の運営に協力する書道家の山口耕雲さん(85)=武雄市=と、大串涯山さん(76)=江北町=が出席。児童がインタビュー形式で、書道に取り組む姿勢などを聞いた。

 「どうしたら字が上手になるか」との質問に山口さんは「毎日練習すること。毎日書けば少しずつうまくなる」と話し、大串さんは「道具を大切にすることも字の上達につながる」とアドバイスした。

 県職員で2023ミス・ジャパン日本大会グランプリの吉田愛さん(26)も参加し、審査で書道が得意なことをアピールしたエピソードを披露した。武雄高書道部の書道パフォーマンスの動画も上映され、児童は高校生の力強い筆さばきに見入っていた。

 6年の瀬﨑叶(かの)さんと瀬戸口心絆(ここな)さんはそろって金賞に輝き「150回の節目に賞を取れて、思い出に残る席書会になった」と笑顔を見せ、努力賞だった馬渡一馬さんは「卒業しても書道を続けて、もっと大きな賞を取りたい」と話した。

 作品は14日まで各教室に掲示され、午後4~5時に自由に見ることができる。(澤登滋)

   

書道に関する児童の質問に答える山口耕雲さん(中央)=武雄市朝日町の朝日小

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