なでしこバックアップ千葉選手(いわき出身) 五輪での貢献誓う

五輪の開催地フランスを指さし「チームの一員として責任を持ち、勝利に貢献したい」と抱負を語る千葉=いわき市役所

 14日に発表されたパリ五輪に臨むサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」で、バックアップメンバーに選出されたいわき市出身のFW千葉玲海菜(れみな)(25)=アイントラハト・フランクフルト=は同日、いわき市役所に内田広之市長を訪ねた。千葉は「五輪に行けることは素直にうれしい。勝利に貢献し、自分のサッカー人生の経験値を高める舞台にしたい」と意気込みを語った。

 海外への挑戦が生かされた。今年1月に「世界で戦える選手になりたい」と、国内のWEリーグ千葉からドイツ1部リーグへの移籍を決断。約半年間、フィジカル面で強みのある選手たちを相手に戦い「全てにおいて成長できた」と手応えがあった。今月初旬の代表発表前最後の国際親善試合ではゴールを挙げるなど、存在感を示し、バックアップメンバーとして五輪へのチャンスをつかんだ。

 日本サッカー協会によると、バックアップメンバーの規定が正式に定まっておらず、バックアップメンバーを含めた計22人からベンチ入り18人を選ぶ規定となる可能性もあるという。

 バックアップメンバーには千葉のほか、いずれもJFAアカデミー福島出身のGK大場朱羽(しゅう)(21)=ミシシッピ大、DF守屋都弥(みやび)(27)=INAC神戸、石川璃音(20)=三菱重工浦和=が選ばれた。

 アカデミー勢、意気込み

 なでしこジャパンに名を連ねたJFAアカデミー福島出身の4選手。GK平尾知佳(27)=アルビレックス新潟レディース=は「お互い何をやりたいか分かっているメンバーで、世界一を取るだけの準備はしてきた。試合に出たら、チームを救うセーブができると思う」と意気込んだ。DF北川ひかる(27)=INAC神戸レオネッサ=は「目標にしてきた大会でプレーできることをうれしく思う。自分らしく楽しんでチームに貢献できるように全力で頑張る」と意欲を示した。

 今春から本県に帰還したアカデミーからは先輩たちの活躍を願う声が上がった。今春アカデミーを巣立ち代表入りしたMF谷川萌々子(ももこ)(19)=ローゼンゴード=とボランチを組んでいた主将の樋口梨花さん(18)=ふたば未来学園高3年=は「攻撃のアイデアやテクニックを学ばせてもらった。先輩の代表入りはうれしいし、自分たちの励みになる。普段からより質の高いプレーをしていきたい」と語った。

 2019年からアカデミーで指導する山口隆文監督(66)は教え子が代表入りし「力を精いっぱい出し切るよう挑戦してほしい」と激励。アカデミー出身者が多く選出され「震災・原発事故を乗り越える中、歴代のアカデミー生が世界を目指してきた証し。アカデミーのフィロソフィーを忘れず、国民を勇気づけるプレーをみせてほしい」とエールを送った。

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