5刀流堀田、全国切符 高岡商高1年、まずレスリング 各競技の鍛錬生かす「精神力の強さ出た」

レスリング女子62キロ級決勝でフォール勝ちし、インターハイ切符を手にした堀田選手=高岡市竹平記念体育館

  ●北信越総体 16日ボクシング

 レスリングとボクシング、空手、柔道、相撲の「5刀流」に取り組む堀田みず希選手(高岡商高1年、高岡市)が15日、北信越高校総体のレスリング女子62キロ級を制し、全国総体(インターハイ)の切符を手にした。2競技での全国を目指し、16日はボクシングのライト級に臨む。異色の挑戦の一つをクリアした15歳は「さまざまな競技の経験が生き、厳しい練習をこなした精神力の強さが出た」と手応えを示した。

 レスリングは高岡市竹平記念体育館で行われ、女子62キロ級には4人が出場した。堀田選手は初戦で長野県の選手に圧勝し、決勝は強豪・志賀高の谷内絵美里選手と接戦となった。第1ピリオドは序盤に投げ技で4点を奪ったが、その後は背後を取られるなどして同点に追い付かれた。

 第2ピリオドは6―6から抑え込まれそうになったが、「絶対インハイに出る」と耐えた。終盤にタックルから相手をひねり倒して一気にマットに沈め、残り18秒の土壇場での鮮やかなフォール勝ちにつなげた。

 北信越大会には柔道とボクシングでも出場権を得たものの、柔道はレスリングと日程が重なったため見送った。16日のボクシングは上市高で、新潟の選手との一騎打ちとなる。堀田選手は「チャレンジャーの気持ちで絶対に勝ち、2競技での全国入賞を目指す」と表情を引き締めた。

  ●空手、柔道、相撲

 フルコンタクト空手の元日本代表の母千宴子さん(43)が代表を務める千山道場で、2歳から空手を始めた。吸収力の高さからすぐに実力を伸ばし、両親はさらなる成長を願って負荷を掛け続けた。

 幼稚園の時にレスリング、小学1年で柔道とボクシング、3年で相撲を始めた。全5競技で全国の舞台に立ち、小中学生時は空手、ボクシング、レスリングの3競技で日本一に輝いた。異例の5刀流だが「5競技をすることが当たり前過ぎて、今は一つでも欠けると不安になる」と言い切る。

  ●被災者に勇気を

 地元の高岡市は能登半島地震で被害を受けており、「自分の結果と頑張る姿で被災者に勇気を届けたい」と語った。

 父尚弘さん(54)は「長い格闘技の道。その通過点であり、おごらず心技体を高めてほしい」と期待した。

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