「となみ夜高」新住民が責任者 三島町・三室さん「大役」 14日祭り開幕、大行燈制作大詰め

吊り物の色付け作業を見守る三室さん(左奥)=砺波市三島町

  ●高校生、お年寄りも参加

 砺波平野の初夏を彩る行燈まつりを締めくくる14、15日の「となみ夜高まつり」に向け、砺波市出町地区の各常会(町内会)で大行燈作りが最終盤を迎えている。三島町は住民が11日夜、高さ6メートルの行燈に下げる吊(つ)り物の製作に励んだ。町では今年、責任者に当たる「裁許(さいきょ)」を6年前に移住した「新住民」が務める。制作は高校生やお年寄りも担い、幅広い住民参加で盛り上げる。

 三島町の裁許を務めるのは神奈川県出身の会社員三室研さん(52)だ。移住後は祭りに参加していたものの、しきたりなどをまだ十分知らない中での大役となる。裁許は地元出身者が務めることがほとんどだが、適齢期の住民が少ない町では居住経験の浅い人が就くケースも出てきている。三島町は今回、副裁許に経験者2人を配置して三室さんを支える。

 裁許は大行燈の巡行や、行燈のぶつかり合い「突き合せ」を采配する。三室さんは「緊張はあるが、やりがいもある。みんなで協力していい祭りにしたい」と本番に向けて意気込む。

 三島町の大行燈は御所車が題材で、吊り物は水引やひょうたんとなっている。行燈の制作に関わる人を限定せず、幅広い住民が気軽に参加できるようにしている。紙を貼る作業にお年寄り、色塗りには高校生が顔を出している。4月から作業が本格化し、ようやく9割が仕上がった。

 今年のとなみ夜高まつりは16町が大行燈16基、小行燈2基を出す。砺波市の市街地を舞台に行われ、初日は行燈コンクール、最終日は目抜き通り2カ所で突き合わせが繰り広げられる。

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