青学大連覇王手 佐々木が豪快先制3ラン含む6打点大暴れ!早大との決勝戦「勝ちたい気持ちは誰よりも強い」

 1回、左越えに3ランを放った佐々木は、小田(左)と西川(右)に迎えられる

 「全日本大学野球選手権・準決勝、青学大10-2天理大」(15日、神宮球場)

 準決勝2試合が行われ、青学大が天理大に10-2で八回コールド勝ちし、同校初で2011年の東洋大以来13年ぶりとなる、史上6校目の連覇に王手をかけた。今秋ドラフト候補で主将の佐々木泰内野手(4年・県岐阜商)が先制3ランを含む5打数4安打6打点と大暴れ。早大は延長十回タイブレークの末、4-3で東日本国際大を下した。決勝は16日に神宮球場で行われる。

 佐々木が軽く払った白球は高々と舞い上がり、左翼スタンドに突き刺さった。天理大ナインがあぜんとする中、軽快にダイヤモンドを一周。圧巻の一発だった。

 「うまくバットに乗せられました」。初回2死一、二塁。追い込まれてからの内角低めの変化球に体勢を崩されながらも、巧みにすくい上げた。鮮やかな放物線を描いた先制3ラン。初戦の福井工大戦に続く今大会2号をマークした。

 三回2死二塁では左前適時打、四回2死満塁では中前への2点適時打で、1試合最多打点の大会記録にあと1まで迫った計6打点。八回には中堅への二塁打も放ってサイクル王手と大暴れだ。今春リーグ戦では打率1割台と苦しんだが「不調の時にスイングの軌道を修正しようと」と、もがいた日々が全国の舞台で実を結んだ。

 高校3年時には新型コロナウイルスの影響で夏の甲子園が中止。聖地を目指せなかった悔しさが、大学での原動力となった。「全国にかける思いは強い。勝ちたい気持ちは誰よりも強いです」。前年王者としてのプレッシャー、慢心はみじんもない。4年前の青春を取り戻すべく、最後の夏の高校球児のごとく貪欲に勝利を追い求めてきた。

 決勝は東京六大学代表の早大とぶつかる。「東都の代表として負けられない」。プライドを宿し、意地でも頂点をつかみとる。

 ◆佐々木 泰(ささき・たい)2002年12月24日生まれ、21歳。岐阜県大垣市出身。右投げ右打ち。内野手。178センチ、82キロ。小野小1年から小野野球少年団で野球を始め、東中では岐阜ボーイズに所属。県岐阜商では1年春から4番を務め、高校通算41本塁打。青学大では1年春からリーグ戦デビューすると4本塁打を放つなどし三塁でベストナインを獲得。50メートル走6秒1、遠投100メートル。

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