身近な井戸や防火水槽、使いこなせそう? 伊勢原で能登地震教訓に研修会

防火水槽のくみ上げを実践する参加者ら=15日、伊勢原市内

 元日に発生した能登半島地震を教訓に、災害時の生活用水を確保するため、地域の身近な井戸や防火水槽について周知・確認する自主防災リーダー養成研修会が15日、神奈川県伊勢原市立中央公民館などで始まった。同公民館では伊勢原北地区の防災役員ら約30人が参加した。

 同市では、被災地で課題となった水の確保を重視。市が登録して災害時に使用できる井戸306カ所に加え、市内1800基の消防水利のうち、40トン未満の防火水槽180カ所を非常時の防災対策として生活用水などに使用できるようにするという。研修では地元消防団の協力を得て、重さ約40キロあるふたの扱いや、子どもが誤って入らないようにコーン標識を使用するなど諸注意を伝え、防火水槽の開放や水のくみ上げ方を実践した。

 参加した男性は「トイレなどには使えそうだが、飲み水としては浄水しないと難しい。井戸も使えるエリアが限られ、飲み水の確保が必要だと感じた」と話した。また女性の参加者は「自治会は高齢者や女性が多く、重いマンホールは開けられない。扱いやすいものになれば」と指摘した。

 市の担当者は「被災時に市民が意識を高めて自ら動いてもらえるよう、防災への意識を浸透させていきたい」と強調した。研修会は22日まで各地区で行われる。

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