だまされかけた母、タクシーに乗る…“息子”に現金を届けるため 行き先を何度も変更する母…タクシー事務所で配車係の女性、異変に気付く 通報し詐欺阻止、感謝されるも「普通のことをしただけ」と話し称賛

杉山勝信署長(左)から感謝状を受け取った本間登志子社長(中央)と配車担当の阿部可代子さん=寄居署

 埼玉県警寄居署は14日、特殊詐欺被害を未然防止したとして、寄居町の本間タクシー(本間登志子社長)に感謝状を贈呈した。

 同署によると、5月24日午前10時40分ごろ、同町在住の70代女性から配車の依頼を受けた。タクシーに乗車させたが、配車担当の阿部可代子さん(79)は運行中に行き先が何度も変更になったため、理由を確認したところ、「息子にお金を届ける」などと申し立てたことから特殊詐欺被害を疑った。女性を説得し、警察に通報するなどして、特殊詐欺被害を未然に防いだ。

 同署の杉山勝信署長から感謝状を受け取った本間社長(82)は「詐欺を防げて良かった」と語り、阿部さんは「前日に詐欺への注意を呼びかける防災無線を聞いた。感謝状をもらったけど、普通のことをしただけ」と話した。杉山署長は「機転を利かせてくれて、本当にありがたい」と感謝していた。

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