レイ・アレン来日!「NBAフェスin Japan 2024」で語ったクローズアウトゲームの難しさとは…?

現在行われているボストン・セルティックスとダラス・マーベリックスのNBAファイナル第4戦に合わせて、渋谷ストリームホールでライブビューイングや特別展示、屋外コートの設置などの多数のアクティビティーが催された「NBAフェスin Japan 2024」が開催された。

メインイベントのライブビューイングには、早朝9時15分からの開始にもかかわらず多くのファンが思い思いのユニフォームやグッズを身に付けて集結。トークセッションなどを交えて試合の行方を見守った。

クローズアウトゲームは「オフコートの問題があり過ぎる」

会場のボルテージが最も高まったのは、ハーフタイムを利用してスペシャルゲスト、レイ・アレンが登場した瞬間だった。アレンは1996年のNBAドラフト全体5位でリーグ入りし、ミルウォーキー・バックス、シアトル・スーパーソニックス、セルティックス、そしてマイアミ・ヒートでキャリアを積み重ね、セルティックスとヒートで計2度の優勝。代名詞の3Pシュートは歴代2位の3P成功数2973本を成功させた。

アレンはこのイベントが4度目の来日とのことで、「毎回とても楽しんでいる」と日本について語ってくれた。

ライブビューイングが行われた第4戦は3連勝で迎えたセルティックスにとっては、優勝を懸けた一戦だったが、結果は84-122の大敗。往々にして、NBAプレーオフシリーズでは4勝目、つまりシリーズの決着を懸けたクローズアウトゲームが最も難しいとされている。ライブビューイングでMCを務めた佐々木クリスさんから、特にNBAファイナルにおけるクローズアウトゲームの難しさについて問われたアレンは、こう語った。

「想像してみてほしい。クローズアウトゲームということは当然、家族も会場に招待することになります。今回だったら、ボストンとしてはダラスに勝つと思っているわけなので、プレッシャーですよね。だから負けてしまったのかなと思います。ほかにも家族分のホテルの手配などもあるので、オフコートでの問題があり過ぎるんです」

アレン自身、ヒート在籍時の2013年にサンアントニオ・スパーズと対戦したファイナル第6戦では、4Q残り5秒で歴史に残る同点3Pを沈め、延長戦の末にスパーズを撃破。そのまま第7戦にも勝利し、スパーズにクローズアウトゲームの難しさを痛感させてみせた。逆に2010年のファイナルでは先に優勝に王手を懸けながら、そこから2連敗を喫し、優勝を逃している。酸いも甘いも噛み分けた彼ならではの見解だ。

今ファイナルでお気に入りの選手についての話題に移ると、アレンが挙げたのはセルティックスのデリック・ホワイト。「彼はビッグショットも決められるし、シュートフォームもきれいです。僕はしっかりジャンプしてシュートを打つタイプの選手が好きで、彼に注目しています」とアレン。

ライブビューイング後には、屋外コートに移動して子どもたちへの指導をおこなった。そして、その後の囲み取材でシュートを決めるにあたって最も重要なことを尋ねると、こう答えた。

「コンディショニングが一番重要だと思っています。練習に取り組むときなども、できるだけ自分が居心地が悪くなるような状況を作り出すようにしています。本当に疲れて、足も動かなくなってきたようなときくらいから、さらにハードなトレーニングをすることです。試合になると相手の選手にユニフォームをつかまれたり、体のどこかが痛くなることもあります。そういうときにいかに活躍できるか、練習でそれをいかに再現して取り組めるかというところで、コンディショニングを大事にしつつトレーニングすることが一番重要です」

ステフィン・カリーの台頭以前には、NBA史上最高のシューターと称され、完璧主義者で人一倍ストイックにスキルを磨いてきたアレン。2014年の現役引退からすでに10年が経過しているが、彼のシェイプは現役時代と全く変わっておらず、シュートフォームもやはり美しかった。

ライブビューイング前日には渋谷のスクランブル交差点にラリー・オブライエン・トロフィーを掲げて登場したり、男子日本代表の合宿に激励に伺ったりと、この日のイベント外でも日本のバスケファンを盛り上げてくれた。

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