気を吐いたベテランに一発逆転の選手も 『第1回リランキング』で笑った者、泣いた者

大出瑞月は“圏外”から大きく順位を上げた(撮影:米山聡明)

<ニチレイレディス 最終日◇16日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6584ヤード・パー72>

今大会終了をもって、国内女子ツアーは第1回リランキングが実施された。シーズン中に非シード選手たちの優先出場順位を見直すこの制度。リランキング30位前後の選手が、第2回が行われる9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」までフル出場できる見込みだ。

リランキング上位勢を見ると、河本結が657.09ptで2位以下を大きく突き放して1位通過。今大会でもトータル9アンダー・7位と優勝争いを演じた河本だが、昨年はこの地で中盤戦の出場権を失っており、その借りを返した。「いつかはできると思って頑張っている」と見据える先はもちろん優勝だ。

2位からは小林夢果(377.41pt)、小林光希(329.8pt)、柏原明日架(322.28pt)、鶴岡果恋(307.07pt)と続いた。“ボーダーライン”の30位はルーキーの政田夢乃(60pt)。33位(54.28pt)に食い込んだ同じく新人の菅楓華も、多くの出場権を得ることができそうだ。

さらに主催者推薦選考会を突破して出場した大出瑞月が一発逆転。トータル8アンダー・8位タイに入り、45.5ptを獲得した。今季わずか2試合の出場で、リランキングは82位(3.8pt)→35位(49.3pt)まで駆け上がった。昨年実績で見ても、ほぼフル出場が見込める順位だ。

崖っぷちからの上位フィニッシュで職場確保。喜びもひとしおかと思いきや「一生懸命やっても空回りするタイプなので、ゴルフをやるだけって感じでした(笑)」。相変わらずの“大出節”をさく裂させて笑いを誘った。

さらに、今大会ではベテランも気を吐いた。国内女子ツアー通算23勝の横峯さくらが14位タイに入ったことで、52位(19.45pt)→37位(45.45pt)に急浮上。こちらも大出と同様に、中盤戦でほぼすべての試合に出場できそうだ。次なる目標は「シードを獲りたいです」。百戦錬磨の38歳が復活への階段を上り続ける。

一方で、思うような結果を残せずに“リランキング落ち”した選手もいる。QTランク9位の岸部桃子はリランキング57位と厳しい位置。さらにQTランク2位の小倉彩愛はリランキング70位で出場権を喪失した。今後は推薦で出場するか、下部のステップ・アップ・ツアーから再起を図ることになる。

第2回リランキングは「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」(9月20〜22日)終了後に行われる。来週の「アース・モンダミンカップ」からは4試合連続で4日間大会が行われるが、ポイント配分も大きいこの4連戦が後半戦の出場権を左右する。第1回リランキングを突破した選手は、息をつく間もなく再びし烈なポイントレースを繰り広げていく。(文・齊藤啓介)

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