「比べるのは時期尚早だ」全仏制覇のアルカラスがビッグ4と自身を比較する声に言及<SMASH>

先日の「全仏オープン」で念願のトロフィーを手にし、早くも四大大会の全サーフェスを制したカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク2位)。21歳でのこの記録は、22歳で達成したラファエル・ナダル(スペイン/同264位)を抜いて最年少の記録となった。

10代での四大大会制覇、史上最年少での世界ランク1位到達など、若くして様々な偉業を達成してきたアルカラスだが、そうなるとやはり、かつてテニス界を席巻したビッグ4の面々と、彼の活躍を比較する声も多くなってくる。

海外メディア『Tennishead』では、そのような比較の声に反応したアルカラスのコメントを紹介。若かりし頃のビッグ4の活躍を「ビデオでは見たことがある」と明かすアルカラスは、「同じ年齢だった頃の彼らと自分を比べることはできない」と、当事者の立場からの比較は避けた。

アルカラスは続けて「まだ時期尚早ということだ。この年齢で何を達成したのかはそれほど重要ではなく、キャリアの中で成長を続け、(ノバク)ジョコビッチ、ラファ、(ロジャー)フェデラーのような選手になりたい。優れた選手は、37歳や38歳になっても向上を続けているんだ」と語り、キャリアを通した長いスパンでないと比較はできないとしている。
とはいえ、そういった比較の声や、数多くの強豪たちに追われる立場になったことが、相当の重圧を抱える要因にもなっているだろう。自身にのしかかるプレッシャーをどのように管理しているのかを問われたアルカラスは、「この瞬間を楽しむのが大切だ。苦労してトロフィーを手にするのだから、それを楽しむことを忘れてはいけない」と明かした。

「僕はまだ21歳で、自分に必要なものと必要ではないものを学んでいる最中だ。仕事と苦悩、休息と自由を組み合わせることが重要だと気付いた。たまにはテニス選手であることを忘れて、普通の子どものように自分の好きなことをする。そうすることで頭をスッキリさせて、100%の状態で戦いに戻ることができるんだ」

激闘のクレーシーズンが一旦終わり、早くも「ウインブルドン」(7月1日~14日/イギリス・ロンドン/芝)に向けた芝のシーズンが始まった。さらにその後は再びパリに舞台を戻し、初出場となるオリンピックを迎えることとなる。次なる偉業達成に向けて、若き英雄の戦いは続く。

構成●スマッシュ編集部

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