中国吉林省の長白山世界ジオパークが開園

中国吉林省の長白山世界ジオパークが開園

長白山天池の景色。(2012年6月21日撮影、長春=新華社記者/許暢)

 【新華社長春6月16日】中国吉林省の長白山保護開発区で14日に観光開発会議の開幕式が行われ、長白山世界ジオパークの正式開園が発表された。「中国東北部の屋根」と称される長白山が世界レベルの観光地として一歩を記した。

 アジア大陸東岸に位置する同山は北東アジア大陸で最も高い山系であり、生態系を守る重要な役割を果たしている。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が設けた認定機関、世界ジオパークネットワークは3月、中国が推薦した長白山地質公園を世界ジオパークに認定した。

 長白山世界ジオパークは吉林省南東部に位置し、2723.8平方キロの面積を持つ。第四紀火山活動によって形成された地形を特徴とし、東アジアで火山が最も多く、火山の密度が最も高く、火山岩が最も広く分布する地域となっているほか、アジアで最も標高が高く最大の火口湖もある。

 ジオパークの科学普及・宣伝教育を担当する張栄傑(ちょう・えいけつ)氏は、長白山は新生代に起きた複数の巨大噴火によって形成された火山錐が完全に保存されている世界的な例であり、保存状態が良く、代表的な温帯の原生林生態系もあると話した。長白山自然保護区は北半球の同緯度帯であまり見られない種が多く存在することから、「地質実験室」「生態博物館」「遺伝子バンク」と呼ばれており、植物2639種、動物1586種が確認されているという。

 48カ国213カ所のユネスコ世界ジオパークのうち中国は47カ所で、世界最多となっている。(記者/金津秀、王帆)

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