サッカー選手にとって重要なものは「契約」。プレーヤーの取り引きで多額のお金が動くのは、それを途中で解除するための「違約金」としてクラブが支払っているからだ。
クラブとの契約には「この額を提示されればクラブ側としては拒否できず、選手との直接交渉に移れる」という「契約解除条項」が設定されている選手も多い。
今回は、この夏にビッグクラブ移籍が噂されている選手の中から「契約解除条項」が設定されているビッグネームを『Planet Football』から特集する。
ミカエル・オリーセ
クラブ:クリスタル・パレス
国籍:フランス、イングランド、ナイジェリア、アルジェリア
契約解除条項の額:3500万ポンド(およそ69.94億円)
今シーズンのクリスタル・パレスで19試合に出場して10ゴール6アシストを決めたライジングスター。イギリス出身であるがフランスのアンダー代表に入った経験を持ち、さらにナイジェリアとアルジェリアにルーツを持つ。
EURO2024のメンバーには入っていないものの、チェルシーやマンチェスター・ユナイテッドが今夏のマーケットで獲得に動いており、彼には3500万ポンドの契約解除条項があると伝えられている。
エベレチ・エゼ
クラブ:クリスタル・パレス
国籍:イングランド
契約解除条項の額:6000万ポンド(およそ119.9億円)
オリヴァー・グラスナー監督の下で大復活を遂げたエベレチ・エゼ。クリスタル・パレスで背番号10を任された彼は、昨年6月にイングランド代表に初出場するなど波に乗っている選手だ。
EURO2024のメンバーにも選ばれている彼には6000万ポンドの契約解除条項が設定されているという。ただ、「チャンピオンズリーグに出場するクラブのみ」が対象だとか。
パウロ・ディバラ
クラブ:ローマ
国籍:アルゼンチン
契約解除条項の額:1000万ポンド(およそ19.98億円)
驚くべきことにパウロ・ディバラは現在ローマとの契約に1000万ポンド程度のバイアウト条項が付随しており、他のクラブが手を出しやすい状況になっている。
今夏のコパ・アメリカ2024のメンバーから漏れたこともあり、来季の開幕に向けて万全な状況で臨むこともできる。30歳になった彼が新たなビッグクラブに移籍する可能性もあると言われる。
ジョアン・ネヴェス
クラブ:ベンフィカ
国籍:ポルトガル
契約解除条項の額:1億500万ポンド(およそ209.83億円)
今季19歳ながらベンフィカで33試合に出場したヤングスター。守備的MFとしてチームの重要な役割をこなし、市場価値は5500万ユーロ(およそ92.9億円)まで急上昇した。
EURO2024にも出場することが決まっている彼には契約解除条項が設定されているが、なんとその額は1億500万ポンド。ほとんどのチームが手を出せない額になっている。
イアン・マートセン
クラブ:ボルシア・ドルトムント(※チェルシーからのローン)
国籍:オランダ
契約解除条項の額:3500万ポンド(およそ69.94億円)
チェルシーが保有しているオランダ人アタッカー。ボルシア・ドルトムントに貸し出される前の2024年1月に更新した契約には、3500万ポンドの契約解除条項が盛り込まれた。
ドイツに活躍の場を移した彼はその価値を証明し、クラブをチャンピオンズリーグ決勝へと導いた。もしドルトムントが買わずとも、その額を出したいクラブは他にあるはずだ。
マルティン・スビメンディ
クラブ:レアル・ソシエダ
国籍:スペイン
契約解除条項の額:5000万ポンド(およそ99.92億円)
久保建英とともにプレーしているスビメンディ。EURO2024のメンバーにも選ばれている25歳のスペイン代表ボランチは、世界でもトップクラスのミッドフィルダーだ。
レアル・ソシエダとの契約には5000万ポンド程度のバイアウト条項が付随していると伝えられており、アーセナルを始めとした多くのクラブが彼の獲得を考えているという。
ゴンサロ・イニャーシオ
クラブ:スポルティングCP
国籍:ポルトガル
契約解除条項の額:5000万ポンド(およそ99.92億円)
スタイリッシュでトレンディ、ボールを扱うことに長けた攻撃的なディフェンダー。ゴンサロ・イニャーシオは名前もクールなポルトガル代表のセンターバックで、守田英正のチームメイトだ。
EURO2024のメンバーにも選ばれた22歳の彼はリヴァプールやマンチェスター・ユナイテッドから関心を受けており、契約解除条項は5000万ポンドに設定されていると言われる。
ベンヤミン・シェシュコ
クラブ:RBライプツィヒ
国籍:スロベニア
契約解除条項の額:5500万ポンド(およそ109.91億円)
「次なるアーリング・ハーランド」とも呼ばれるスロベニアの大型ストライカー。まだ21歳の彼はRBライプツィヒで力強いパフォーマンスを見せており、豊かな才能を証明してきた。
今夏のマーケットではアーセナルをはじめとして多くのビッグクラブが獲得を目指すという。契約解除条項は5500万ポンドと高額だが、EURO2024での活躍次第でこれも安いものに感じるだろう。