山本由伸 緊急降板 負傷者リスト入りか 右上腕三頭筋の張り悪化 ロバーツ監督「知っていたら」 

 試合後、報道陣の質問に答える山本由伸(撮影・小林信行)

 「ドジャース2-7ロイヤルズ」(15日、ロサンゼルス)

 ドジャースの山本由伸投手(25)がロイヤルズ戦に先発したが、右上腕三頭筋の張りのため、2回28球で緊急降板した。16日に医師の診察を受け、今後の検査などついて話し合う。本人は軽傷を強調したが、デーブ・ロバーツ監督(52)は負傷者リスト入りについて「可能性は高い」との見解を示した。

 中7日のマウンド。山本が予定されていた先発登板を2日遅らせた試合で、緊急降板を強いられた。試合前の投球練習から張りを感じていた右上腕部が投球を重ねるごとに悪化していくのが分かった。

 「試合前の張りは全然悪くなかった。試合の中で少しずつ張りが大きくなっているのを感じた」

 初回は3球で2人を料理した後、突然、制球を乱して四球を与える。後続を断って無失点に抑えたが、直球の球速が普段より2~3キロ遅かった。二回もボール先行。2死から内野安打を許したが、8番を空振り三振に斬ってベンチに戻った。

 登板前からプライアー投手コーチには右腕の異変について伝えていたという山本。「初回から(投手コーチに)『感覚どう?』と聞いてもらっていた。『やめた方がいいと思ったら伝えるように』という会話はしていました」。2回28球。自ら降板を申し出た。

 投手コーチからの報告を受け、ベンチ内で険しい表情を見せたのはロバーツ監督だ。

 「二回に聞かされるまで張りがあることは知らなかった。すごく驚いた」。

 前回7日のヤンキース戦で7回2安打無失点。移籍後最多の106球の力投を見せた山本から右腕に張りがあることを聞き、予定していた13日の登板をスライド。指揮官は選手との意思疎通に自信を見せながら「もし張りが残っていると知っていたら投げさせていなかった」と言った。

 16日に医師の診察を受け、精密検査や治療法について話し合う。山本は「本当に痛めたわけではない」と軽傷を強調したが、監督は予防措置としての負傷者リスト入りを「可能性は高い」と言った。投手では史上最大規模の12年3億2500万ドル(当時463億円)の契約の1年目。「これ以上のことがないことを願っている」。指揮官が口にした言葉がみんなの気持ちを代弁していた。

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