AJスタイルズがコーディ・ローデスとの決戦を前に“禁忌”に触れる口撃!「お前は新日本プロレスからも、ROHからも、自分で立ち上げた団体からも逃げた」

PLE『クラッシュ・アット・ザ・キャッスル』を翌日に控えたスマックダウン!がスコットランド・グラスゴーから放送された。

14500人の大観衆の中、オープニングは地元スコットランド出身のパイパー・ニーヴンの挑戦を受けるスマックダウン!女子王者のベイリーがナオミと共に登場。そしてニーヴンはパートナーであるチェルシー・グリーンのセコンドとして姿を現し、ナオミ対グリーンが王座戦の前哨戦として行われる事になった。
セコンドに付くベイリーに向けて、サッカーの応援文化が浸透しているスコットランドらしくブルース・チャンネルの『ヘイ、ベイビー』の替え歌がチャントとして送られる。地元出身だけあってパイパーにブーイングが飛ぶ事はないものの、歓声はナオミへの応援一色。ベイリーとパイパーがリング下で口論している間に最後はたっぷりと助走を加えたレッグドロップでナオミが3カウントを奪った。

『クラッシュ・アット・ザ・キャッスル』のメインイベントを飾るコーディ・ローデスは、いつものようにスーツ姿でダウン・ステイトの”キングダム”が流れる中で登場した。会場はもちろん”キングダム”の大合唱。今回のジャパンツアーでもこの光景の再現となるように、ABEMAではこの”キングダム”の歌詞を訳詞と共に字幕で出しているので、現地観戦を予定している人は楽しみの一助としてほしい。
マイクを取ったコーディの「さぁ、グラスゴー!何から話そうか?」というおなじみのセリフから始まったのは、引退宣言詐欺まで行って統一WWE王座への挑戦権を獲得したAJスタイルズへの辛辣なメッセージだった。それを遮るようにカール・アンダーソン、ルーク・ギャローズを伴って登場したAJは、2人を控室に戻すとリング上で対峙する事を選ぶ。
AJはコーディに「俺はWWEにたどり着くまで17年かかった。だがお前は簡単にWWEに登場して、WWEもお前をスターにしたかった。だがうまく行かなくなったらお前は逃げたよな。こいつは新日本プロレスからも逃げた。ROH(リング・オブ・オナー)に行ってもそこから逃げて、自分で立ち上げた団体からもまた逃げた」とWWEではタブーともいえる他団体の名前を挙げて挑発した。
特に「自分で立ち上げた団体」については観客からも大きなどよめきが起きるほどだったが、コーディはその事自体は否定せずにそれでもAJから目をそらさず「俺はこれまで何度も大きな決断をしてきた。逃げたわけじゃない。自分の夢を追いかけるためなら、その場を去る事もためらわない。俺は自分に賭けたんだ。俺にはもっと価値があると信じて。そして俺は正しかった。もし逃げただけなら今ここにこのベルトはない」と言い切った。そして「お前は俺の憧れだったし、正しい道を進んできた。お前が辞める時は自分自身を見捨てる時だと思っていた」と続けた。
AJも「俺はフェノミナールである事をクイットできない。大胸筋断裂しているのに『ヘル・イン・ア・セル』でセス・ロリンズと戦い抜いたお前を倒すのは簡単な事じゃあないだろう」とコーディへのリスペクトを示しつつ、それでも「今回お前が戦うのはセス・ロリンズではない。AJスタイルズだ」と強く言い切った。

会場には姿を見せなかったもののUS王者であるローガン・ポールもテトリスの世界大会のゲストとして出場した時の映像で登場。14歳の少年には完敗したものの相手の勝利は素直に称えて、プエルト・リコにある豪邸に戻ると、ロス・アンジェルズから来た友人として上がり込んだLAナイトが邸内のプールで待ち受けていた。挑発行為としても明らかな不法侵入に、自宅である事もあって乱闘騒ぎは起こさず速やかに追い返すが、思わずポール・ローガンも「やりすぎだろう」とつぶやくしかなかった。

メインイベントでは”新生”ブラッドラインの”新たなる総べるもの”ソロ・シコアがケビン・オーエンズとシングルマッチで対戦。番組途中でストリート・プロフィッツを襲撃した事もあり、GMのニック・アルディスからタマ・トンガ、トンガ・ロア(新日本プロレス時代のタンガ・ロアから改名)がセコンドに付かないよう厳命されていたが、それでもオーエンズ相手に新リーダーの実力をいかんなく発揮して試合は進んでいった。
スピニング・ソロ2連発からの続けての攻撃はスーパーキックでの反撃を食らうものの、続けてのスワントーン・ボムはヒザで迎撃してサモアン・スパイク狙い。しかしこれをかわされてスタナーを食らうがポール・ヘイメンがソロの足をロープにかける事でカウント3はまぬがれる。しかしこの行動に怒ったオーエンズはヘイメンをアナウンス・テーブルにたたきつけようとするが、そこにソロが不意打ちのサモアン・スパイク。そしてリング上に戻してからは再度のサモアン・スパイクでカウント3を奪った。
試合が終わった瞬間にタマとロアが登場し、オーエンズに襲い掛かるが、そこを救ったのはランディ・オートン。ロアにRKOを食らわせると、会場がオートンのテーマを大合唱する中、コーナートップで得意のポーズを決めた場面で今回のスマックダウン!は終了した。

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