蓮舫氏は本当に「怖い」のか 1年生議員の元RAG FAIR奥村政佳氏が見た意外な一面

都知事選に出馬する蓮舫氏(左)と、立憲民主党の奥村政佳議員

本当に怖いのか。東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)に向け、各陣営が準備を進めている。先出しジャンケンをしていた蓮舫参院議員は18日に公約〝蓮舫ビジョン〟を発表する予定。同日に小池百合子都知事も公約発表をする意向で、さっそく火花を散らしている。そんな蓮舫氏には「批判ばかり」「怖い」との指摘もあるが、立憲民主党の1年生議員が「そんなことない!」と反論した。

5月下旬の出馬表明以来、3度目となる街頭演説の場に蓮舫氏が選んだのは東京・町田だった。JRと小田急線が交わる繁華街だけに多くの聴衆が蓮舫氏の声に耳を傾けた。

神宮外苑再開発について「今、本当にやるべきなんだろうか。立ち止まるべきではないかと、その思いを日に日に強くしている」と立場を鮮明にしたことをはじめ、晴海フラッグやプロジェクションマッピングについても言及。こうした政策をまとめた公約〝蓮舫ビジョン〟を18日に発表すると明かした。

街宣車の上では笑顔で手を振る蓮舫氏だが、国会質問で首相らを問い詰める追及型の質問が多いだけに「批判ばかり」「怖い」との指摘が付きまとう。この日の演説に参加した立憲民主党の小川淳也衆院議員は「蓮舫さんは舌鋒鋭い。時々怖い。同じ党で良かったと思うことも多々ある」と冗談を飛ばしつつ「常に自分より強いもの、既得権や利権にまみれた戦うべき対象に対して容赦なく、妥協なく取っ組み合ってきたのが蓮舫さんじゃないですか」と姿勢をたたえた。

2日の有楽町の演説以来の参加となった枝野幸男前代表は「一部の人から怖がられている。おかしいことを正していこうと思ったら真剣になるのが当たり前。テレビを通じて見る蓮舫さんは怖いと思われる側面が多いかもしれないが、ヘラヘラ笑っている政治家なんかいらない」と擁護した。

そうはいっても眉間にシワを寄せた蓮舫氏のインパクトは強い。枝野氏も小川氏も蓮舫氏と付き合いが長く、怖くない面も知っているのだろう。そこで、2019年の参院選に同党比例区で出馬し落選したものの、今年5月に繰り上げ当選したばかりのアカペラグループ「RAG FAIR」元メンバー・奥村政佳参院議員に蓮舫氏の素顔を聞いた。

奥村氏は「いろんな人のことを気にかける人です。1年生議員はみんな言っていますよ。僕が繰り上がりでバタバタしていた時も気にかけてLINEくれたり、忙しいのにSNSの発信の仕方のアドバイスもいただけました。これから新しい挑戦をしていくなかで視野の広さと細やかな気遣いを発揮されるでしょう」と明かした。

奥村氏は参院選の際に次々点で落選していた。「落ちた後、食事会をしてくれました。落選後も一番コンタクトを取ってくれたんじゃないですかね。なんというか慰めというか激励というか…もっと頑張れでもないし、残念だったねでもないし、寄り添う感じでした」(同)と、落選後のフォローを誰よりもしてくれたという。

結局、蓮舫氏は怖いのか。「(国会で追及する姿は)真剣だから怒っちゃう。おかしいことはおかしいと強く言わないといけないという思いがあるのでしょう。そこを面白いから切り取られるけど、彼女自身はそういうところはないと側にいる人間であればあるほど感じています」(同)

素顔がどこまで有権者に伝わるか。

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