“パー3の女王”に復活の気配 西村優菜が6バーディ量産で全米女子プロへ

通算9アンダー25位でフィニッシュ(撮影/亀山泰宏)

◇米国女子◇マイヤーLPGAクラシック for Simply Give 最終日(16日)◇ブライズフィールドCC(ミシガン州)◇6556yd(パー72)

一日を通して風のジャッジに惑わされ、突っ込んだショットで奥にこぼしてボギーが重なった。後半16番ではダブルボギーも喫した。もちろん満面の笑みとはいかない「72」での締めくくりにも、西村優菜には今週つかんだものがある。

「きょう、ちょっと不安だったんです。続けられるかどうか。でも、きのうと同じくらいいい感じで振れていたし、アイアンでピンを攻められていた。その感触はすごく良かった」。ここ最近悩まされていたセカンド、特にアイアンショットの不調から抜け出すヒントを得たのは前日のこと。フィニッシュを決めることだけ考えて振ったら、スイングの迷いが消えていく感覚があった。

ショットの悩みが晴れつつある(撮影/亀山泰宏)

6バーディの中でも、前日に続いてパー3で奪った2つが手応えを裏付ける。見えないグリーン面に向かって打ち上げる前半5番は、入念な番手ジャッジから選んだ9Iでカットして距離を落とし、花道にキャリーさせたショットが1.5mについた。11番は149ydを6Iでピタリと絡めるタップインバーディ。どちらのホールも、やや苦手とする左からの風が吹いていた。「その中でしっかり振っていけたし、自分の思ったように打てた。ここ最近ではなかった感覚」とうなずく。

「日本にいた時は結構ショートホールでバーディを獲っていたのに、こっち(米国)に来てからショートで結構(ボギー以上を)打つことが多くて。ショット(の不調)が顕著に表れているのかなと思っていた」。日本が主戦場だった2022年シーズンはパー3の平均スコアでツアー1位の「2.8908」をマークしている。アイアンの一撃から4つのバーディを決めた週末は、その強みを取り戻しつつあることを実感できた。

“10秒チャージ”で次週メジャーまで4連戦を乗り切る(撮影/亀山泰宏)

次週の今季メジャー第3戦「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」(ワシントン州サハリーCC)に向けてもプラス材料となることは間違いない。「『何がダメなのかな…』と思って迷いながら入るよりも、ちょっとでもいい感覚で試合ができたっていう自信が少しでもあった方がいい。この2日間は来週に向けてはすごく良かったんじゃないかな」

もちろん初めてとなるコースだが、すでに下見を済ませているツアー仲間から少しだけ情報収集もした。「メチャクチャ狭いって聞きました」。4連戦目が東海岸→西海岸の移動となり、3時間の時差も生じる。「結構タフにはなると思うんですけど、それが終わったらひと段落なので、最後までしっかり頑張りたい」。メジャー翌週のダブルス戦「ダウ選手権」はスキップするため、大舞台に全てをつぎ込む。(ミシガン州ベルモント/亀山泰宏)

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