別府市観海寺地域の景観「後世に残したい」 住民有志、4年かけ雑木や草伐採【大分県】

別府市観海寺地域の整備を進める中塚茂さん=別府市観海寺
2023年、朝見川に架かる観海寺橋下は木や草が手つかずのまま放置されていた=中塚茂さん撮影、提供
別府市観海寺地域の整備を進める中塚茂さん。みゆき坂公園周辺にあった竹を伐採し、景観を確保した

 【別府】別府市観海寺の住民有志でつくる「観海寺をきれいにする会」(高野義史代表、9人)が、地区内の竹林や公園の整備を進めている。約4年をかけて雑木や草を伐採し、市内を一望できる景観を取り戻した。ベンチも設置し、住民の憩いの場になっている。

 観海寺地域は海抜150~200メートルの高台に位置する。別府八湯の一つ観海寺温泉郷が広がり、宿泊施設も集まる人気のエリアだ。

 一方で、市道沿いの木々の枝が伸びて眺望を損ない、朝見川に架かる橋下にも竹や草が生い茂っていた。

 「きれいにする会」の発起人、中塚茂さん(91)=観海寺、三洋産業会長=によると、以前から地区内の景観に課題を感じていたという。知人らに声をかけ、2020年から活動を始めた。

 会員や地域のボランティアが参加し、足場の悪い急斜面に茂った竹や木、草を伐採。レンタルした重機やゴンドラなども活用した。

 土地所有者の許可を得ながら、これまでに地区内の約千平方メートルとみゆき坂公園(820平方メートル)周辺を整備。1年ほど前から景観の良さがうわさで広がり、市民や観光客が訪れるようになったという。

 「雑木林の隙間から清らかな川の流れが見えたとき、あまりの美しさに目を奪われた。後世に残したいと思った」と中塚さん。有志や周辺の宿泊施設関係者と現在も活動を続けている。

 今後はヒマワリなどの花を植え、四季折々の景色が楽しめるようにする予定。

 高野代表(51)は「観海寺を別府観光の名所にしたい。若い世代を巻き込んだ活動に発展させたい」と話している。

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