左手に158キロ死球のベッツ「残念ながら折れていた」 右肩痛の山本とともに長期離脱必至 負傷者リスト入り14人野戦病院化

ドジャース・ベッツ(3月撮影)

 「ドジャース3ー0ロイヤルズ」(16日、ロサンゼルス)

 包帯でぐるぐる巻きにされた左手が痛々しかった。試合後のドジャースのクラブハウスの空気は重く、完封勝利後のそれではなかった。日米報道陣に囲まれたベッツは低く、小さな声で「残念ながら折れていた」と言った。

 満員5万2789人が埋めた本拠地が凍り付いたのは七回だ。時速158キロの直球がベッツの左手甲を直撃。三塁側ベンチからロバーツ監督が猛ダッシュで駆け寄った。

 ロバーツ監督の説明によると、復帰時期は未定だが、手術の必要はなく、シーズン絶望のけがではないという。ベッツは「正直、これからどうなるのか分からない。これからは仲間たちの試合を見て、応援していくことになる。あとは休養にあてる。たぶん、精神的な休息として使うかもしれない」と話した。

 この日は試合前に山本由伸、マイケル・グローブ両投手の15日間負傷者リスト入りが発表された。前者は前日のロイヤルズ戦に登板し、2回28球で緊急降板。理由は右上腕三頭筋の張りと発表されたが、精密検査の結果、右肩腱板の損傷が見つかった。後者は山本の代役としてスクランブル発進し、2回30球を投げた後、広背筋の張りを訴えた。

 中でも山本は治癒に時間を要する箇所とあって、指揮官は数週間のノースローが必要だと説明した。

 現在、負傷者リストに入っているドジャースの選手は14人。野戦病院と化してチームはこの日の勝利で貯金を15とし、ナ・リーグ西地区では2位パドレスに8ゲーム差をつけて首位を独走している。

 不動の1番、ベッツの今季成績は72試合、打率・304、10本塁打、40打点、9盗塁、OPS・893。山本は14登板、6勝2敗、防御率2.92。投打の柱の離脱がチームにもたらす影響が心配される。

 

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