【J2「後半戦開幕」】清水、またしてもアウェイで惨敗で5敗目 愛媛MFのダメ押しドライブシュートも飛び出し…秋葉監督も深刻表情(1)

またしてもアウェイで負けた清水の秋葉忠宏監督  撮影/中地拓也

■首位・清水エスパルスは愛媛FCに翻弄される

「超攻撃的」が、アウェイで勝てない。

J2リーグ第20節が6月15、16日に開催され、首位の清水エスパルスは16日、10位の愛媛FCのホームに乗り込んだ。今節は後半戦最初のゲームとなる。

清水はCB住吉ジェラニレショーンがメンバー外で、DF高木践が3試合ぶり2度目の先発に名を連ねた。システムは前節と同じ3-4-2-1である。

想定外があったとすれば、愛媛がシステムを変えてきたことだろう。4バックを基本とする相手が、3バックで臨んできたのである。相手の立ち位置の変化とそれに伴う攻め筋を把握する前に、清水は先制点を許してしまう。8分、右CB尾崎優成の持ち出しを止められず、DFラインの背後へ侵入してきたMF窪田稜に決められてしまった。

0対2で敗れた前々節のレノファ山口FC戦に続いて、清水は前半の早い時間帯に先制点を奪われてしまった。しかも、今シーズンの黒星すべてを喫しているアウェイで、追いかける展開となったのである。

前半のシュートは清水が6本で、愛媛が2本である。だからといって、清水が押し込んだわけではないのである。相手のビルドアップにどうやって規制をかけるのかが定まらず、いい守備からいい攻撃を繰り出せない。愛媛に翻弄されたまま前半を終えた。

■秋葉監督は交代カードを切るが…

後半開始とともに、秋葉監督が動く。ルーカス・ブラガに代えてFWカルリーニョス・ジュニオを起用する。背番号10は3試合ぶりの出場だ。

しかし、次の1点を奪ったのも清水ではないのだ。59分、自陣から前進する愛媛を止められず、左サイドを崩されてしまう。練習どおりと言っていい形で崩され、2点目を決められてしまうのだ。

後半も相手のビルドアップに規制をかけられず、ワンタッチを効果的に使われて守備を剥がされる。長い距離を惜しみなく走る相手に後退を強いられ、ボールを奪っても攻撃のスタート地点が低くなる。相手の背中を素早く突くことができない。

秋葉監督は65分に右ウイングバック北爪健吾を下げ、MF松崎快を投入する。74分には2枚替えを行ない、MF矢島慎也とFWドウグラス・タンキを投入する。システムを4-4-2に変更した。

78分にはボランチに入った矢島が、FW北川航也へ縦パスを差し込む。北川がワンタッチで落とすと、ドウグラス・タンキが左足を振り抜いた。2トップに変更した意図が表われたシーンで、その後も両サイドからのクロスに2トップが飛び込んでいく。愛媛の守備陣は下がりながらの対応になることが多くなり、クリアしても距離が出ないため清水はセカンドボールを確保できる。ようやく押し込めるようになったが、90分に決定的な3点目を喫して試合は終わった。途中交代で入った愛媛MF浜下瑛の、浮き球を捉えてボールにドライブがかかった凄いミドルシュートだった。

清水はまたしてもアウェイで黒星を喫し、2位のV・ファーレン長崎との勝点差が「4」から「3」に縮まった。3位の横浜FCとも勝点「3」差である。

試合後のインタビューに応じた秋葉監督は、厳しい表情で話した。

「アウェイで勝てない原因をしっかりと正確に探り当てないと、続いてしまう。なぜこうなっているのかもう一度死に物狂いで探しながら、アウェイでどうプレーするべきなのか、どう改善できるかを考えたい」

愛媛が素晴らしいゲームをしたのは事実だが、アウェイで喫した完敗は清水に重い。次節もブラウブリッツ秋田とのアウェイゲームだ。負の連鎖を断ち切らないと、首位から転落してしまう可能性もある。

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