愛犬と泊まれてバリアフリーのホテル 市有の旧国民宿舎を改修し来春営業再開 鳥取県倉吉市

「HOTEL星取テラスせきがね」に生まれ変わる旧グリーンスコーレせきがね。新館(手前)は取り壊されて建て替えが進む。奧は旧館=倉吉市関金町関金宿

 倉吉市有の旧国民宿舎グリーンスコーレせきがね(倉吉市関金町関金宿)が2025年4月、5年ぶりに営業を再開する。愛犬と泊まれてバリアフリーの「HOTEL(ホテル)星取(ほしとり)テラスせきがね」として市が改築・改修し、市内の企業が指定管理者として運営する。関金町の観光振興への波及効果が期待される。

 新館を地上2階地下1階に建て替え、旧館(地上4階地下1階)を改修して使う。新館と旧館を合わせて客室は30室(定員計162人)。建て替え後の新館は段差を減らすなどバリアフリー化して高齢者らが使いやすくし、入浴介助サービスを提供する。愛犬と泊まれる「ワンちゃん泊ルーム」も設ける。1室4~8人で宿泊でき、家族連れなどの観光利用を想定する。

 温泉は、大山の景色と湯がつながっているように見える「絶景インフィニティ露天風呂」、アロマオイルを混ぜた水を蒸発させて香りや蒸気を楽しむロウリュサウナを設けて呼び物にする考えだ。

 市が13億2600万円をかけ整備する。23年10月に着工した。運送業などの流通(倉吉市巌城、江原剛社長)が指定管理を担う。宿泊・日帰りの利用者数は旧グリーンスコーレ時代を上回る年間2万5千人超、売上高は2億円超を目指す。

 市経済観光部の藤井拓也次長は、年間1万人を呼び込む観光資源の旧国鉄倉吉線廃線跡を例に挙げ「地元の観光資源と結びつけ、この地域の魅力を伝えたい」と話した。

 旧グリーンスコーレは1968年、関金温泉街の高台に市と旧関金町が開設した。2017年4月、岡山県真庭市内の旅館・ホテル業者に無償譲渡したが、経営不振で20年3月に閉館。倉吉市が施設の返還を受け営業再開を模索してきた。

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