ごみ溶かし農業用肥料へ再生 滝沢・雫石環境組合が民間と開発

滝沢清掃センターで肥料化した溶融スラグを手にする佐藤孝所長

 滝沢・雫石環境組合は、滝沢清掃センター(滝沢市大石渡)でごみを処理した際に出る「溶融スラグ」を農業用肥料に再利用する取り組みを進めている。民間企業と研究を重ね、肥料としての品質が農林水産省に認められた。組合によると、一部事務組合が肥料の生産者として国に登録されたのは全国初で、9月にも販売を始める見通し。

 スラグはごみを約1800度の高温で溶かした後、有害物質を除去して砂状に加工したもの。清掃センターは、滝沢市と雫石町の家庭ごみなどを年間約2万2千トン処理し、約1800トンのスラグが発生する。

 スラグは主に天然砂の代用品として活用してきた。循環型社会への意識の高まりに加え、公共工事の減少で供給先の確保が難しくなり、プラントメーカー日鉄エンジニアリング(東京)などと3年かけて、肥料化の研究を進めてきた。

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