世界的に“金属泥棒”が増加 埼玉で「側溝の蓋」52枚盗難 アメリカではEV充電ケーブル窃盗多発で…電気自動車普及率低下懸念も

今、世界的な金属価格高騰を受け、“金属ドロボー”が多発しており、EV車の充電ケーブルや側溝の蓋の窃盗が国内外で問題となっている。専門家からは、こうした金属窃盗がEV車の普及の遅れに繋がると指摘する声もあり、ひいては地球環境への影響も懸念される。

埼玉・久喜で「グレーチング」52枚盗難

埼玉・久喜市では、「グレーチング」と呼ばれる金属製の側溝の蓋が盗難される被害が多発している。

同市では4月30日~5月27日までの間に14件のグレーチング窃盗が発生し、いずれも人目につきにくい場所から、計52枚が盗まれている。

14日、側溝の蓋が盗まれた1カ所を訪れると、ぱっくりと大きな穴が空いてしまっている様子も確認できた。

同市での被害額は約100万円にのぼる可能性があり、警察は窃盗事件として捜査している。

深夜のスタンドで“ケーブル窃盗”

アメリカでも、金属窃盗が後を絶たない。シアトルでは、EV車の充電スタンドで窃盗事件が多発し、毎月のペースで充電ケーブルが盗まれている。

実際に犯行を捉えていた監視カメラには、2人組の男が大胆にも車で乗り付け、自前の大きなハサミで充電ケーブルを切断し、車の荷台へ手際よく積み込む姿が映っていた。

半年に1回が毎月盗まれるように

こうした“金属ドロボー”が充電ケーブルを狙うのは、ケーブル内の「銅線」が狙いだ。銅線の価格も高騰しているため、高く売り払うために狙っているとみられる。

被害にあった充電スタンドの担当者は、「以前は半年に1回ほどでしたが、今では毎月盗まれています」と、窃盗が増えている状況を語っている。

「EV普及率低下に結びつく可能性否定できない」

自動車ジャーナリスト・桃田健史さんは、「充電インフラが拡充することが、EV(電気自動車)が普及することの最低条件。このまま盗難がアメリカで野放しになり、日本でも横行すれば、EV普及に対する普及率低下に結びつく可能性は否定できない」と世界で相次ぐ“金属ドロボー”が生活に影響を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らす。

“金属ドロボー”の影響で、地球環境に優しいとされる電気自動車の普及が進まなくなる可能性も出てきた。世界的に増える金属ドロボーが、電気自動車のみならず今後どこまで影響を及ぼすか関心が集まっている。
(「イット!」 6月14日放送より)

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