染物・織物の町の大手が…災害・新型コロナ禍 耐え切れず自己破産へ【新潟・見附市】

染物会社が自己破産

見附市で、地域でトップクラスの売り上げ規模を誇っていた染物会社が、裁判所に自己破産を申請したことがわかりました。

民間の信用調査会社「帝国データバンク」によりますと、見附市の「見附染工」は1980年創業。旧栃尾市にあった染物会社の見附工場が分社化されたもので、その会社と歩調を合わせる形で運営し、合成繊維・天然繊維・複合素材の染色整理を手掛け、88年5月期には売上高約24億5100万円を計上していました。

しかし、グループ全体が輸入製品の台頭やアパレル関連の海外生産シフトの影響を受けるようになり、本体の染物会社が2002年に経営破綻。見附染工自体も大幅な赤字を計上し、債務超過に陥りました。

さらに、2004年に発生した7.13水害や中越地震で工場が被災。設備投資などのために金融機関からの借り入れが増大しました。ここ数年は、繊維関連の市場縮小に新型コロナ禍の影響も加わり、年売上高は8億円程度にまで低下。さらに、資材やエネルギー価格の高騰の中、価格転嫁が進まず、赤字決算が続いていました。

厳しい資金繰りが続く中、過去の設備投資や赤字補填などのための金融機関からの多額の借入金の返済が負担となり、事業継続を断念しました。負債総額は約16億円が見込まれていますが、変動する可能性があるということです。

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