交流戦終盤にブレーク ソフトバンク3位ルーキーは〝恐怖のラストバッター〟目指す

14日の阪神戦の5回2死二塁、プロ初本塁打を放ちナインの出迎えを受ける廣瀨隆太(撮影・栗木一考)

◆記者コラム・タカ番24時

ソフトバンクは16日の阪神戦をもって日本生命セ・パ交流戦の戦いを終えた。5年ぶりの優勝とはならなかったが、小久保裕紀監督が「優勝の可能性まで来たのが想定外だった」と振り返った通り、巨人戦のカード負け越しから始まったことを考えれば〝大健闘〟と言ってよいと思う。

この交流戦では、想定外のことがいくつも起きた。

5月31日の広島戦で、柳田悠岐が走塁中に右脚を負傷。全治4カ月のけがを負った。それまで不動の3番打者としてチームを引っ張っただけに大きな痛手だ。

4番も苦しんだ。交流戦前は両リーグトップタイの12本塁打を放った山川穂高から快音が響かなかった。

収穫も多かった。2軍で好調だった柳町達が活躍。4年目の笹川吉康にも特大のプロ初アーチが飛び出した。

中でも存在感を発揮したのはドラフト3位ルーキーの廣瀨隆太だ。初安打までに少し時間は要したものの、17打席目で達成すると、6月14日の阪神戦ではプロ初本塁打の決勝2ランも放ち、現在5試合連続安打中。好守も光り、牧原大成、三森大貴が相次いで離脱した二塁を、しっかりとカバーしている。「1軍に慣れてきて、2軍でやってきたことが少しずつできている」と充実感を口にする。

意識するのは2人とはひと味違う〝恐怖のラストバッター〟だ。「強いスイングをして長打を意識させられれば、相手も嫌だと思う。少しでもプレッシャーをかけられる9番になりたい」。21日に再開するリーグ戦も若鷹から目が離せない。(大橋昂平)

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