「周りが柳田2世みたいなことを言うけど」ソフトバンク小久保監督 認めざるを得ない笹川吉康の潜在能力 交流戦首位に並んで運命の最終戦へ

5回無死、笹川はプロ初の本塁打を放ち、ダイヤモンドを回る(撮影・栗木一考)

◆日本生命セ・パ交流戦 ソフトバンク6―2阪神(15日、みずほペイペイドーム)

豪快という言葉以外に表現できないような一発だった。5回、先頭の笹川吉康が阪神ビーズリーの投じた高め直球を完璧に捉えた。打球はファンが待つ右翼スタンドへ一直線。プロ第1号は128メートルの特大アーチとなった。

「凡打もずっとゴロだったので外野フライを飛ばすというか、打球を上げる意識をしていった」と振り返った22歳。「真っすぐをしっかりはじき返せた」と満点の一撃をたたき込んだ。

連日の期待に応えた。14日の阪神戦で初めてスタメン起用されると、第2打席に初安打を記録。そのまま初盗塁も決めた。この試合では右中間への難しい飛球を走りながら好捕。「走攻守」でファンを魅了した。小久保監督も「周りが柳田2世みたいなことを言うけど、良い素材は持っている。あそこまで飛ばせるのは魅力」と、その潜在能力を認めざるを得ない。

ベテラン勢も黙っていなかった。初回は12日のヤクルト戦で守備の際に右手を痛めた近藤健介が12球団制覇弾となる先制の9号3ラン。5回は笹川の初アーチに勢いづけられ、今宮健太と山川穂高にも適時打が飛び出した。

貯金は今季最多を更新する「23」。交流戦順位も12勝5敗で1位の楽天に並び、16日の最終戦で明暗が決する。フィナーレも若い力が躍動し、2019年以来、9度目の頂点をつかんでみせる。(大橋昂平)

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