宇留賀前副知事再任案 県議会で可決 自民が妥協案受け入れ

山本知事が「1年限り」とした宇留賀前副知事の再任案について、県議会は17日の本会議で賛成多数で可決しました。当初は態度を保留していた自民党が知事の妥協案を受け入れ賛成に回りました。

経産省を退職した宇留賀前副知事の再任案を巡っては、最大会派・自民党から「国から派遣される副知事が必要」などの慎重論が出て、賛同を得られる目途が立たなかったことから山本知事は当初目指していた県議会開会日での再任案の提出を見送っていました。

今月12日には、県議会の全員協議会が開かれ、山本知事は、宇留賀氏が再任された場合、通常は4年間とする任期を「1年限りとする」妥協案を提案したほか、1年後に後任を国から探すことを明言していました。

態度を保留していた自民党は、17日朝、県議団総会を開きました。

先週14日にも開きましたが結論は出ず、自民党県議団の多数決で決めることになり、17日の開票の結果、賛成の方針が固まりました。

午前10時に始まった県議会本会議。山本知事が宇留賀氏の再任案を提出し、提案説明を行いました。

「今回の副知事人事案に関し、議会にご迷惑をかけたことは私の責任であり、全員協議会で約束をした宇留賀副知事の在任期間を1年とすることはいかなる理由があっても必ず守らせていただきます。」(山本知事)

採決の結果、共産党を除くすべての会派が賛成し、宇留賀前副知事の再任が決まりました。知事の再任が決まって山本知事は…。

「異論もあった中でほぼ全会一致で認めていただいたと、そういうことは大変感謝を申し上げたい。自分の中に県議会との対応についてはある意味おごりとか甘えみたいなのもあったので、そういうところはしっかり改善してこれからの県政に臨んでいきたい。」(山本知事)

その後、県庁では辞令交付式が開かれ、宇留賀氏は再び副知事に就任しました。

「経済産業省の出向を辞して群馬県のために全力で尽くすという形で決めていましたので、今回いろいろな形で指摘いただいたのは非常に自分自身にとっては今後の励みになると思っていますし、今後より群馬県のために貢献していくように力に変えていきたい。」(宇留賀副知事)

そのうえで、これまでは県議会とのコミュニケーションが「少し慎重」であったとし、「積極的に取っていきたい」とも語りました。

また、議員から懸念のあった現役官僚の起用ではない点については、「各省庁に個人的なネットワークがあり全く問題ない」としました。

続けて、再任案に賛成した交渉会派の自民党、つる舞う、リベラル群馬、公明党の代表が山本知事のもとを訪れ、副知事に関する確認書を交わしました。

「宇留賀副知事の任期を来年6月17日までとすること」や「直ちに後任の副知事を探す作業に取りかかること」など4項目を確認し、5人が署名しました。

終了後、自民党県連の井下泰伸幹事長は、会派内で再任案への慎重意見があり「議論をまとめるのは難しかった」と振り返ったうえで、今後の山本県政への向き合い方については次のように語りました。

「個人的には雨降って地固まればいいなという風に思ってます。議会としましては知事の出す案件に関しては是々非々で取り組ませていただいております。」(自民党・井下泰伸幹事長)

「県議会の各会派と、特に賛成していただいた4会派としっかりコミュニケーションを取る体制を作って行ければと思います。」(山本知事)

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