「こども誰でも通園制度」旭川市でスタート 親が働いていなくても…生後6か月から2歳までの子どもが対象 北海道内はあわせて8つの市町で“お試し運用”開始

北海道の出生率は、都道府県別で東京都に次ぎワースト2位ですが、そんな中、国が少子化対策として打ち出す「こども誰でも通園制度」が旭川市で始まりました。

17日朝、旭川市の中心部にある保育園です。出勤前、親たちが、次々と子どもを預けにやってきます。

共働き。親の介護。子どもを預けに来る親たちの事情は様々です。

しかし、2026年度からは、保護者が働いているかどうかにかかわらず、6ヶ月から2歳児までの子ども保育園などに預けられるようになります。

「こども誰でも通園制度」。

岸田政権の看板政策「異次元の少子化対策」の1つです。

17日、試験実施が始まった旭川市のこの保育園では利用者はいませんでしたが、新たな制度に期待と不安が入り交ります。

認定こども園わんぱく保育園 松島直美園長
「少しでも(子どもと)離れることでリフレッシュして、それが一番のメリットだと思います。(問題は)やっぱり職員の配置ですね、あと職員の確保も心配だと思っています」

本格的な導入は2026年度からですが、北海道内では、17日スタートした旭川市を含め、8つの市と町が、いわば「お試し運用」を始めています。

旭川市子育て支援部こども育成課こども事業係 佐藤太一主査
「先行して開始することで、私たちの地域の実情に合わせた実施のしかたを模索できる(と思った)。(いろいろな場所で)保護者の方に知ってもらうべく、いまチラシを渡したりしてますので、今後これが周知して広がっていけばと思います」

旭川市は、今後、制度の周知と課題を洗い出したいと話しています。

あらためて、「こども誰でも通園制度」の内容を確認します。

旭川市で、17日から試験的に始まった「子ども誰でも通園制度」は、生後6か月から2歳までの、保育園や幼稚園に通っていない子どもが対象で、利用料などは、収入によって変動しますが、1時間あたり300円を上限に、月に最大10時間利用できます。

利用を希望する人は、事前に面談が必要で旭川市の場合、利用したい施設の職員と直接面談をします。

北海道内では、8つの市と町で行われています。

制度のメリットは
・親の育児の負担軽減や孤立感の解消
・子どもには、親以外の存在と関わることで社会性が育まれる
・園児が減少する保育園には経営の助けになる

一方、デメリットは
・現状の保育士で新たな子どもを受け入れることになるので、現場の負担が大きくなる

旭川市では5月から周知を行い、現時点の登録者数はまだ10人程度です。保育は、子育ての社会インフラともいえます。

2年後の本格スタートに向けて、国はそれぞれのニーズに合った制度の設計が求められます。

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