国内外で争奪戦必至⁉ 4戦連続8得点で九州を制した日章学園の超高校級FW高岡伶颯、監督がゴール以外で評価した姿勢とは?

PKを決める日章学園の高岡(撮影・松田達也)

◆全九州高校サッカー大会男子決勝・日章学園7―1龍谷(17日、大分スポーツ公園)
日章学園(宮崎)はエースで主将の高岡伶颯(3年)が前半だけでハットトリックを決める活躍を見せ、7大会ぶり2度目の優勝を飾った。

圧巻のパフォーマンスだった。高岡は1点をリードした前半20分、冷静にPKを決めると、前半の追加タイムにはゴール前で左からのクロスをトラップし、左足で切り返した後に右足でシュートを決めて追加点。直後にはゴール前の浮き球を左足で押し込んだ。「いい形で前を向けたり、いいボールがきたのもある。狙い通りだった」と振り返った。

今大会は1回戦から4試合連続でゴールを奪い、合計8得点。圧倒的な攻撃力で九州王者となったチームを引っ張った。「FWなので、点を決めないとやっていけない。どんな形でも得点というのは大事」。ゴール以外にも鋭いドリブルで好機を生み出し、常に相手守備陣の裏を狙う動きで、DFに脅威を与えた。

ハットトリックの活躍にも、日章学園の原啓太監督は「普段から、このくらいやってくれる選手。特別にすごいということはない」と冷静に受け止めた。むしろ、原監督の高い評価はゴールだけではなかった。「一生懸命に泥くさく、誰よりも走るということをやってくれる。点を取ることも魅力だけど、背中で引っ張るというメンタリティー、パーソナリティーが素晴らしい」とたたえた。

昨年のU―17(17歳以下)ワールドカップ(W杯)で4得点を奪い、今年はU―19日本代表にも〝飛び級〟で招集された。世代屈指のストライカーは、この春にはイングランドのクラブに練習参加するなど経験を積んでおり、その視線は海外でのプレーに向いている。高岡も「将来はプレミアリーグやチャンピオンズリーグ(CL)でプレーすることが目標」と言い切る。

Jクラブによる争奪戦を含め、今後の進路が注目される超高校級の逸材について、原監督は「卒業後はそういう(プロの)世界に飛び込むはず。今も努力しているし、将来的には海外でプレーしたいということも含め、いろいろ悩むことになるのでは」と思いやった。

まずは今夏の全国総体、冬の全国選手権など、日章学園の一員として、大きな舞台が待っている。「この1年はぶっちぎる力でチームを引っ張り、全国優勝したい」。先を見据える高岡の視線には、輝かしい未来が映っている。
(松田達也)

高岡伶颯(たかおか・れんと)2007年3月12日生まれ。宮崎県出身。三股中から日章学園に進む。165センチ、62キロ。2年生で出場した昨年の高校選手権では、初戦で名古屋(愛知)にPK負け。5月からJ3宮崎の特別指定選手となった。

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