連日、被災地で30℃越え…熱中症特別警戒アラート・クーリングシェルターについて解説

17日も県内は暑くなりました。輪島市では社会福祉協議会の職員が、避難所などから自宅に戻ったお年寄りの家を訪ね、熱中症予防を呼びかけました。

「おはようございます」

輪島市内の家々を回るのは、社会福祉協議会の職員。避難所などから自宅に戻ったお年寄りの健康状態を確認したり困りごとを聞き取ったりしています。

職員:
「寝泊りは避難所で…自宅に片付けに来たりとか?」
一人暮らしの男性(70代):
「大変ありがたいこと。梅雨時期だから雨が降るからブルーシートを掛け直してほしい」

17日も県内は高気圧に覆われ気温が上昇。珠洲で30.6℃、輪島で30.0℃と被災地でも連日暑い日が続いています。

職員:
「水分だけはこまめに摂ってくださいね」

市では先月、仮設住宅に住む一人暮らしの高齢女性が孤独死したことから巡回を強化するなど再発防止に努めています。

3人暮らしの男性(80代):
「来てくれるのはありがたいけれど、まだこんな(心配されるのか)と。自分をみっともないって思う」
Q 暑さは大丈夫?
男性:
「大丈夫や。どうとも思ってない」
一宮町社会福祉協議会 土師裕太(はじ・ゆうた)さん:
「元気でいるために必要なことを気にするようにはしています。思ったよりは元気でしたね。会えて良かったです。水分たくさん摂ってとかは言うようにしています」

一方、小松市で17日から始まったのは指定暑熱避難施設、「クーリングシェルター」

今年4月から運用が始まった「熱中症特別警戒アラート」に伴い熱中症による健康被害を防止するため一時的に避難する施設を市や町が指定します。

小松市では17日までに市役所や図書館、駅前の施設など21の公共施設のほか16の民間施設を指定しました。

リポート:
「正午過ぎの小松市内です。手元の温度計では32.2℃を指しています。こうした暑さから身を守るクーリングシェルターには精肉店なども指定されています」

小松市龍助町にある中出精肉店。炭火で焼いた焼豚が人気のこの店もクーリングシェルターの一つに指定されました。

中出精肉店・中出暁史さん:
「当店はお肉を扱っているのでエアコンをつけっぱなしにしている。来たお客さんがすごく暑いと言われたりすると集中的に風に当たってもらえるようなスポットクーラーもありますし、座る椅子もご用意しているので気軽に起こしいただければと思います」

クーリングシェルターに指定される場所には、十分な冷房設備と座って休むことのできるソファや椅子があることが条件。ほかにもスーパーや家電量販店なども指定されています。

中出さん:
「街中の店は入りづらいっていうのもあるけど、(買い物以外でも)来て気軽にお話するだけでもいいので、新幹線の開業で交流人口も拡大しているので、観光の方も気軽に休めるお店が増えたらいいなと」

小松市のクーリングシェルターは熱中症特別警戒アラートの運用期間となる10月下旬まで開放されていて、金沢市やかほく市などでも来月までに指定が進められる予定です。

さて、今のニュースでありました、「熱中症特別警戒アラート」とは、どういったものなんでしょうか。

年々暑さが厳しくなり、熱中症の危険が高まっています。県内では去年5月から9月の間に1041人が熱中症の疑いで搬送されていて、これは比較ができる2008年以降で最も多くなっています。

命にかかわる危険もありますから、注意が必要ですね。

そこで国は気温や湿度などから計算される「暑さ指数」が県内10の地点いずれかで33を超える日に「熱中症警戒アラート」を3年前から発表しています。

そして今年度からさらに、一段上の情報として「熱中症特別警戒アラート」の運用を始めました。県内すべての地点で暑さ指数が35に達すると予想される時に発表されます。

「熱中症特別警戒アラート」が出された場合には屋外のイベントや授業などを中止にしたり、リモートワークに切り替えたりと呼びかけます。また、先ほどのクーリングシェルターもうまく利用してください。そして、一人暮らしのお年寄りが近所にいる場合などは、声をかけるなど周りの人の命を守ることも意識して下さい。

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