【与野党逆転】当選・落選議員の受け止めは 玉城県政2期目後半は “いばらの道” か

16日に行われた沖縄県議会議員選挙。

定数48のうち、玉城県政を支える与党か、支持しない野党・中立の勢力、どちらが過半数を獲得するかが最大の焦点だった。

結果、玉城県政を支持しない野党や中立の勢力が改選前より4議席を増やし、過半数を超える28議席を獲得した。一方与党は議席を4つ減らし、今後玉城知事は厳しい県政運営を迫られることになった。

▽当選 自民・現職 中川京貴氏(61)
「バンザーイ!」

「玉城知事が出来ない事をするのが、我々自民党、公明党、無所属の会です。(知事には)しっかり県民のために汗をかいてもらいます。我々は政府に対し、党に対してもしっかりものをいいたい。そのための、県民の判断だと思っています」

▽当選 自民・新人 宮里洋史(37) 「大きい枠でいえば、中頭郡区で2議席というのがあったと思うし、東海岸で頑張ってほしいというのもあったと思うので。1期4年がんばって、浸透していきたいと思う」

野党自民党は公認した20人全員が当選。公明党も公認候補全員が当選した。

一方玉城知事を支える与党は、20議席と半数を下回り、宮古島市区や中頭郡区などの4選挙区で1議席ずつ減らした。

▽当選 無所属・現職 玉城健一郎(39) 「本当に後援会一丸となって、今回の厳しい選挙のなか戦えた。その結果が出たと思っている」

▽落選 立民・現職 國仲昌二(63)
「(落選は)まったく想定していませんでした。(県政与党の)議席を確保してきたところを、私が失ったことは非常に責任を感じています」

宮古島市で与党から議席をもぎとった新里匠氏はー。

▽当選 無所属・新人 新里匠氏(47) 「私がでなければこの選挙はなかった。市民の声も拾えなかった。この選挙、これだけでも出る意味があった」

与党は13選挙区のうち、新たに議席を増やせた選挙区もありませんでした。

▽落選 社民・元職 宮城一郎氏(57) 「2回連続で市民の信託を得ることが出来なかった。この結果がどういったものかということを、考え直さなきゃいけないという所もある」

この結果を受けて玉城知事はー。

▽玉城知事
「選挙の結果は、選挙の結果としてしっかり受け止めて、我々に何が足りなかったかを反省し、しっかり受け止めて真摯に対応させていただきたいと思います」

ー辺野古移設反対は?
「私自身は辺野古移設反対は、ゆるぎない思いですので。我々が出来得ることは、しっかりと取り組んでいきたいと思う」

今回の県議選では、多くの新人候補が初当選を飾りました。

▽当選 社大・新人 瑞慶覧長風氏(32) 「天から一緒に、選挙運動をしてくれた祖父の瑞慶覧長方、父の瑞慶覧長敏が繋いできた思いにも心から感謝して、政治を背負って、沖縄を背負って、頑張っていく決意です」

▽当選 無所属・新人 新垣義之氏(45) 「南風原町民のため、そして島尻南部の活性化のため、新垣善之しっかりこれからがんばって行きたい」

女性の躍進も。女性候補者は13人のうち8人が当選し、過去最多となりました。

▽当選 社大・新人 平良識子氏(45) 「バンザーイ、バンザーイ」
「那覇市議会でも、当初私が当選したころには、(女性議員は)4人しかいいなかったが、今13人まで増えている。特有の、女性にしかわからない課題もあるので、丁寧に進めていきたい」

▽当選 立民・現職 仲村未央氏(52)
「女性たちや子どもたちも含めて、本当にしっかりと(演説を)聞いてくれた。目を合わせてくれた場面が何度もあったので、その思いをしっかりと受けて活動していきたいと思った」

国頭郡区では初の女性県議が誕生しました。

▽当選 無所蔵・新人 儀保唯氏(39) 「立候補を決意してから妊娠が発覚したので、どうしようかという気持ちはあったが、そういう人が社会に出ることが特別じゃない社会にしたいと、(選挙を)続けようと思いました」
最終投票率は、45.26パーセントで前回を1.69ポイント下回り、過去最低となりました。

【以下解説は今井憲和記者】

今回の県議選、玉城知事を支える与党、対する野党、中立のどちらが過半数を獲得するかが焦点となっていましたが野党が新たに4議席を獲得し過半数を占めました。

今回は無投票の石垣市区を除けば、12選挙区で46議席をめぐり73人が争ったわけですが、与党は4選挙区で議席を落とす結果となりました。

定員2人の糸満市区と宮古島市区では改選前は与野党が1議席ずつ分け合っていましたが、すべてが野党と中立の議席に変わりました。このほか中頭郡区と那覇市でも、与党が1議席ずつ落としています。

ー 与党側が及ばなかったとみているポイント【敗因】は

与党関係者は、「普天間基地の辺野古移設問題を争点化できなかったのではないか。投票率が過去最低となり自民党公明党の組織票が相対的に高くなってしまったのではないか」と分析していました。

また例えば定数3の宜野湾市区では、激戦が予想されるにも関わらず、与党は3人が立候補し、票の奪い合いとなりました。候補者調整ができていなかったと言えるかもしません。

野党が過半数を獲得したことで玉城知事は今後厳しい議会運営を強いられることになり、年内にも行われる見通しの衆院選、2年後の知事選挙にも大きく影響しそうです。

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