袴田事件再審開始までは57年 手続きの長期化解消へ 再審法の改正求め法務大臣に要望書提出

裁判のやり直しについて定める「再審法」の改正を目指す国会議員連盟が6月17日、法務大臣に要望書を提出しました。再審制度は、冤罪被害者救済に時間がかかりすぎるとの声が上がっています。

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小泉龍司法務大臣に要望書を提出したのは、議員連盟の会長、柴山昌彦衆議院議員です。

現在300人以上の国会議員が所属する再審法改正を目指す超党派の議員連盟は、2024年3月に発足しました。再審制度をめぐっては、裁判がやり直されるまでに時間がかかりすぎるなどと、指摘の声が上がっています。死刑が確定した袴田巖さんの再審が始まるまでには、事件から57年もの月日が費やされました。

<袴田巖さんの姉 ひで子さん>
「(17時9分頃)再審法の不備が多分あったと思います。その不備のないようにぜひ皆様のお力をお貸しくださいませ」

議員連盟はこれまで5回の会合を開き、袴田さんの姉、ひで子さんやすでに再審法の改正をしている台湾の弁護士連合の尤美女理事長などからヒアリングを行ってきました。

台湾では法改正により、再審を求める本人が、証拠や記録を閲覧できる権利が保障されるようになりました。

一方、日本では裁判所が証拠を管理する検察に開示を勧告するかどうかによって、法廷に出てくる証拠の量や質が変わり、この状況は「再審格差」と呼ばれ、問題視されています。

<小泉龍司法務大臣>
「法務省として、制度全体の在り方のなかで冤罪の方々をうみだしてはいけない。(冤罪の方々を)救える制度、それに重きを置きつつ全体のバランスをみながら、非常に重要な問題なのでしっかりと検討を進めていきたい」

議員連盟は、袴田さんにやり直し裁判の判決が言い渡される9月ごろに次のアクションを起こしたいとしています。

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