元ライト級世界ランカー・吉野修一郎が再起 手術した右で3度ダウン奪う「戻ってきて楽しかった」

 再起戦を飾った吉野修一郎

 「ボクシング・8回戦」(17日、後楽園ホール)

 ライト級で日本、東洋太平洋、WBOアジアパシフィックの地域3冠を制した吉野修一郎(32)=三迫=が再起戦に臨み、フィリピン同級3位のジュレス・ビクトリアーノ(26)=フィリピン=に2回2分52秒、TKO勝ちした。

 吉野は昨年4月8日、米ニューヨークでWBC世界同級挑戦者決定戦に臨んだが、シャクール・スティーブンソン(米国)に2度のダウンを奪われ6回TKO負け。スティーブンソンはその後、世界王座を獲得し、吉野は昨年7月下旬に右肘の手術を受けていた。

 右肘は「不安はありますね」という吉野は、1ラウンドは「リングはどんな感じか確かめようとして」いたが、警戒していた右アッパーを「来ると思っていたが忘れていた。見づらかった」と被弾する場面も。それでも終始、サークリングで逃げるビクトリアーノに圧力をかけ続けた。

 2ラウンド、左ボディーを入れると、ビクトリアーノはアバラに大ダメージを負う。吉野は連打からの右でダウンを奪い、さらに右でダウンを追加。もう一度右でダウンを奪ったところで、レフェリーが試合を止めた。全て肘を手術した右でのダウン奪取だった。

 吉野は「ホッとしています。セコンドの指示もしっかり聞けたし、時間も十分あったので仕留めることができました。すごい声援を出してくれて、戻ってきて楽しかった」と微笑。今後については「大きいことは言えない」、「どうなんですかね」と言うにとどめたが、三迫貴志会長は「世界ランク復帰を働きかけていきたいし、本人が希望する、海外、またアメリカでというのを模索しながらやっていきたい」と話していた。

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