【光る君へ】佐々木蔵之介のプロポーズにグッと来る人が続出。でも、実際の紫式部は塩対応だったって知ってた?

紫式部を主人公としたNHK大河ドラマ『光る君へ 』。ロマンチックな求婚シーンが話題となりましたが、史実はずいぶんと違っていたようです。

佐々木蔵之介さん(2022年撮影)時事通信フォト

宣孝のプロポーズがSNSで話題に「完全に堕ちた(私が)」

6月16日放送の第24回『忘れえぬ人 』では、吉高由里子さんが演じる主人公の紫式部(まひろ)が住む越前国(現在の福井県北部)を佐々木蔵之介さんが演じる藤原宣孝(ふじわらののぶたか)が訪ねてきたシーンから始まりました。
宣孝はまひろに「都に戻ってこい。わしの妻になれ」とプロポーズ。「ありのままのお前を丸ごと引き受ける」と告げます。柄本佑さん演じる藤原道長との恋をひきずるまひろが、「忘れえぬ人がいてもよろしいのですか?」と聞くと宣孝は「よい。それもお前の一部だ」と即答しました。
包容力あふれる宣孝のプロポーズにSNS上では「完全に堕ちた(私が)」「宣孝殿がラオウみたいなこと言ってる」「宣孝オッヂ強いわ」と反響が続出しました。
劇中のまひろも心を動かされたらしく「都に戻って宣孝様の妻になろうかと思います」と父親に告げるなど前向きな意向でした。

【動画を見る】「ありのままのお前を丸ごと引き受ける」ファン騒然の宣孝のプロポーズ

実際には塩対応だった紫式部。そっけない短歌が残されています

ただ、ここで残念なお知らせがあります。実際のところ、宣孝は越前に行かず、紫式部に求婚の書状を送ったのですが、それに対する紫式部の返答は、塩対応ともいえるそっけないものだったのです。
『光る君へ』の時代考証を担当する倉本一宏さんは著書『 紫式部と藤原道長 』(講談社現代新書)の中で以下のように書いています。
<宣孝から、長徳三年(九九七)が明けると、紫式部に求婚の書状が届いた。宣孝はそれ以前から、「新年になったら(越前に安置された)唐人を見に行こう」と言っていたのであったが、越前にはやって来ないで、「(春には氷が溶けるように)あなたの心も、とざしていずに私(宣孝)にうちとけるものだと是非知らせてあげたい」と言ってきたのである。>
この言葉に対して、紫式部が返事として送った短歌がこちらです。
「春なれど白嶺のみゆきいやつもり解くべきほどのいつとなきかな」
倉本さんによると、この歌の意味は、「春にはなりましたが、こちらの白山の雪はいよいよ積もって、おっしゃるように解けることなんかいつのことかしれません」というものでした。
ドラマでは、直球勝負で何とかなりましたが、実際の紫式部は20歳前後も年が離れた宣孝からの求婚にそう簡単には応じなかったんですね!

『紫式部と藤原道長』(講談社現代新書)Amazonより / Via amazon.co.jp

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