〈滑川市議会・17日〉種もみ購入全額補助 富富富の作付面積拡大へ

田植えが行われた水田=滑川市内

  ●コシヒカリ、猛暑で1等比率急落

 滑川市は、高温に強い富山米品種「富富富(ふふふ)」の作付面積拡大に向けて農家の本格支援に乗り出す。来年から3年間、富富富の種もみを購入する費用を全額補助し、主力のコシヒカリから富富富への転換を促す。2022年産コシヒカリの1等比率は90%台だったが、23年産は猛暑の影響で60%を割り込むまで急落しており、富富富を奨励することで1等比率の回復につなげる。

 今年度一般会計補正予算案に種もみ購入費用補助金232万円、乾燥調製施設整備補助金2250万円を盛り込んだ。種もみの全額補助は県内で初めての支援策とみられている。

 市によると、25年の購入費補助分は約3.7トンになると見込まれる。新しい乾燥機はJAアルプス滑川ライスセンター内に整備され、同年から14台が稼働する。

 市の1等米比率(3月末時点)は22年産コシヒカリが90.3%と高かったが、23年産は夏の記録的な猛暑の影響で59.0%まで急減した。一方、富富富は98.6%から99.4%に上がり、高温に強い特性を示した。

 市の水稲作付面積約1376ヘクタールのうち、23年産のコシヒカリは約956ヘクタールと約70%を占める。富富富は約54ヘクタールで約4%にとどまっており、市は24年産86.4ヘクタール、25年産110ヘクタール、26年産120ヘクタール、27年産140ヘクタールと増やす計画を進める。

 県内全体では、富富富の栽培面積が昨年度、1640ヘクタールで4.7%しかなく、コシヒカリの2万4300ヘクタールは69.0%だった。1等比率を比較すると、コシヒカリが前年度の87.0%から50.6%(3月末時点)に落ち込む半面、富富富は95.6%から93.2%(同)と高水準を維持しており、県は28年度に富富富を1万ヘクタールまで増やす目標を掲げている。

© 株式会社北國新聞社