築150年の蔵をハムづくりを楽しむ場に クラファンで改修資金募る 群馬・高崎市の工房

築150年の蔵を改修し、集える場にしたいと話す戸塚さん

 ハムやソーセージ作りを気軽に楽しんでほしい―。そんな思いから、群馬県高崎市箕郷町柏木沢のハム工房「Ticca Tocca(ティッカトッカ)」代表で農学博士の戸塚里子さん(45)が、工房の隣にある築150年余りの蔵を改修し、食肉加工ができる集いの場にしようと準備を進めている。来春の稼働に向けて7月13日まで、蔵の改修資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 秋田県出身の戸塚さんは新潟大、同大大学院で畜産製造学を学び、大手ハムメーカーの伊藤ハムで9年ほど研究開発に携わった。夫の転勤を機に群馬県に移住。2019年から同工房を構え、近くのレンタルスペースで講座「ハムとかを作る会」を毎月開いている。

 蔵は2階建ての土蔵で1868年に造られた。前に風情ある桜の木が植えられていて、戸塚さんは「この蔵と桜が土地を購入した決め手だった」とほほ笑む。かねてより活用したいと考え、食肉加工を身近に感じてもらおうと「ハムとかが作れる蔵」と銘打ち、講座などで集まれる場とすることにした。

 1階部分にキッチンスペースなどを置き、将来的にはカウンターを設けてカフェとしての営業も構想中。作るものはハムやソーセージ、ローストビーフなど食肉加工品全般を想定し、観光客向けのコースも考えている。

 戸塚さんは「ハムやソーセージを作るのは難しいイメージがあるかもしれないが、料理の一つとしてぜひ活用してほしい。自分が持つ加工の知識や技術を伝えて、楽しく健康な日々を送る助けになりたい」と話す。

 CFの目標額は300万円。同工房の商品詰め合わせ(8000円、1万2000円)、蔵で行う講座の優先参加券(1万円)などのリターンがある。

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