「とらおさんのパン」群馬・南牧村の名物パン再復活 元道の駅スタッフが味を再現

「少しずつでも味を進化させたい」と話す浅川さん

 群馬県南牧村の名物パンで、一時途絶えた「とらおのパン」が、「とらおさんのパン」として復活した。一般社団法人南牧村長寿計画協会(同村)が、同村の道の駅オアシスなんもくなどで販売している。

 前身となるパンは炭焼き職人だった故中沢虎雄さんが2021年の引退まで、同村桧沢の炭焼き窯で約20年間生産していた。中沢さんから設備の寄付を受けた村が利用者を募り、同年から別事業者が窯を借りてパンを製造販売したが、物価高などを理由に昨年8月に製造を終了していた。

 これを惜しんだ同道の駅従業員だった浅川誉(ほまれ)さんが、村と交渉を重ね、同協会の運営でパン作りを始めた。レシピは残っておらず、試行錯誤の末、味を再現した。ほのかな甘みともちっとした食感が人気を集めている。中沢さんの妻、京子さん(86)と村も協力し、現在は同村の4人が製造する。京子さんは「夫の思いを引き継いでくれるのがうれしい」と喜ぶ。

 責任者の浅川さんは、季節ごとの多角的な商品展開を目指し、「食べた人に幸せな気持ちになってもらえるよう、少しずつでも味を進化させたい」と意気込んでいる。

 1個400円。金、土、日曜に販売する。

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