給食の牛乳パック「ストローレス」に 1年生は直飲みでゴクゴク 高学年は抵抗ある児童も

ストローレスパックで牛乳を飲む児童たち=5月23日、所沢市立牛沼小学校

 埼玉県所沢市は本年度から市内公立小中学校の給食の牛乳を、直接口をつけて飲むストローレスパックに変更した。学年ごとの導入も含め、公立小32校は全校で実施。プラスチックごみの環境問題や、「直飲み」のマナーについて指導が行われている。市内の学校給食では年間約500万本のプラスチック製ストローが使われており、約1.4トンのプラスチックごみの削減が期待できるという。

 5月23日の給食の時間、体育の授業を終えた市立牛沼小1年生は、「簡単だよ!」「おいしい!」と牛乳を直飲みでゴクゴク。今年4月の給食初日からストローレスパックを使っている。ストローも配布するが、現在は「こぼしちゃうから」と、使う児童は数人。一方、高学年は約半数がストローを使っている。ストロー飲みに慣れ、直飲みが「マナー違反」として抵抗があるという。

 原雅一校長は「『こぼすだろうな』と思っていたが、みんなだんだん上手に飲めるようになった。もちろん強制はしないが、環境問題として考えて、高学年も徐々に(ストローレスに)移行できれば」と期待する。同校では、家庭の牛乳パックには口をつけないことなどを指導。給食室ではストローのごみがトレーに挟まっていて洗浄機が壊れる、ストローのごみが散乱してしまうなどの手間が減ったという。

 市内に牛乳を供給するのは日高市の西武酪農乳業。2022年に市からストローレスパックでの供給の打診を受け、充てん機械の工事などを終えて本年度に実現した。親指でくぼみ部分を押すと飲み口に触れずに簡単に飲み口を開くことができ、直接口をつけて飲む。ストローの差し込み部分は従来パックのまま。同社は県内17市町村に給食牛乳を供給するが、ストローレスパックは所沢市のみ。

 市保健給食課の担当者は「児童生徒がごみについて考える環境教育の一環としてほしい。他の自治体にも取り組みが広がれば」と話した。

給食に使用されている牛乳パックの同型サンプル

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