サッカー=「ホームレス・ユーロ2024」も開幕、参加者の喜びや希望に

[ハンブルク(ドイツ) 17日 ロイター] - サッカーの欧州選手権(ユーロ)がドイツで行われる中、本大会と並行して開催される「ホームレス・ユーロ2024」が17日に開幕した。

この大会は路上生活で苦しむ人々とサッカーの喜びを分かち合うことを目的に実施され、ベルギー、ドイツ、ハンガリー、イタリア、リトアニア、ポーランド、ルーマニア、スウェーデンの8カ国が参加。慈善団体が主催し、寄付金を元に1週間行われる。

24歳のマリオ・ラトーレさんは「サッカーは私にセカンドチャンスを与えてくれた」とコメント。以前はストックホルムで犯罪と薬物に手を染めていたといい、「私を見て。今はシュートを打っているが、前は他のものを打っていた」とサッカーが人生を立て直す契機となったと語った。

また、主催者の1人であるヨハン・グラスホフさんは「ホームレスになるのは自分の責任だとよく言われるが、真実ではない。主な要因は住宅不足と家賃の高さだ。われわれはその点に社会の焦点を当てたい。そしてプレーヤーが数日間、問題から解放されて楽しみ、将来のための力を得られるようにしたい」と意義を強調した。

参加者の中には米国で開催された「ホームレス・ワールドカップ」でプレーした者もおり、ポーランドのパトリック・ビアレクさん(24)は「ここは私の第2のファミリーのようなもの」とコメント。パトリックさんは8年間にわたり麻薬を使用し、橋の下で寝泊まりしていたという。

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