退職した保育士を在職扱い、補助金を不正受給か 県内の社会福祉法人 給与約400万円支払わず 沖縄

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 県内で複数の保育施設を運営する社会福祉法人が、宜野湾市の認可保育施設で退職した保育士1人を在籍扱いにして、市からの補助金を不正受給していたことが17日、分かった。補助金のうち、保育士1人分の給与約400万円を支払わず、法人内で不正使用していた。琉球新報の取材に対し、同施設の理事長は虚偽の職員配置表や賃金台帳表を市に提出して補助金を不正受給したことを認めた。 

 不正があったのは宜野湾市の保育園。同園が市に提出した2021~24年の職員配置表には、退職した保育士の氏名や勤務時間、受け持ちクラスなどが記載。同時期の賃金台帳表には、実体を伴わない給与などが詳細に記されていた。

 認可保育施設は自治体からの運営委託費や補助金などを基に運営。保育士配置数も影響するため、毎月、職員配置表を自治体に提出している。同園の申請資料は勤務実績があるかのような記載だったため、行政側は定期監査で虚偽記載を見抜けなかったという。

 理事長は、虚偽の職員配置表について「退職した保育士が戻ってくると思った」と説明。不適切な処理を続けたことは「待機児童を一人でもなくしたい思いが強かった」などと述べている。
 (嘉陽拓也、藤村謙吾)

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