検事「無罪真摯に受け止める」 国賠訴訟、大阪地検元主任が出廷

横領無罪事件の国賠訴訟で、大阪地検特捜部元主任検事の証人尋問が行われた大阪地裁の法廷=18日午前(代表撮影)

 大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で違法な取り調べがあったとして、無罪が確定した不動産会社プレサンスコーポレーション(大阪市)の山岸忍元社長(61)が国に7億7千万円の賠償を求めた訴訟の証人尋問が18日、大阪地裁で実施された。

 14日に続き主任検事だった蜂須賀三紀雄・神戸地検刑事部長(51)が出廷し「証拠や事実関係に照らして起訴をした。無罪になったことは真摯に受け止める」と述べた。証拠の判断に問題はなかったとの認識を示した。

 14日の尋問では捜査に携わった検事の末沢岳志・東京国税不服審判所国税審判官(46)が出廷し、山岸氏の逮捕を待つよう蜂須賀氏に進言したと証言。これに対し、蜂須賀氏は「記憶にないが(末沢氏が)そう言うなら否定しない」と述べた。

 18日の尋問で山岸氏自ら、この進言を上司に報告したかどうか追及。蜂須賀氏は「必要な証拠類は積極、消極問わず全て上司に共有している」と答え、明言を避けた。

 山岸氏側の弁護士は、蜂須賀氏が別の事件の取り調べで机をたたいて容疑者を怒鳴ったとする調書を証拠提出した。

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