大谷翔平とアーロン・ジャッジが演じた“名勝負”の興奮いまだ冷めやらず。再戦が実現するのはワールドシリーズの舞台か<SLUGGER>

2人のスーパースターの“直接対決”の興奮は、1週間以上経った今でもまだ冷めやらない。

6月9日、ヤンキー・スタジアムでのヤンキース対ドジャース戦、8回1死三塁でライトフライをつかんだアーロン・ジャッジが投じたホームへの返球は今季の自身最速93.4マイルを計測した。しかし、三塁走者の大谷翔平はスプリントスピード29.4フィートの快足を飛ばし、キャッチャーのタッチより先に本塁へ滑り込んだ。

2022年にMVPレースを繰り広げた2人が守備と走塁で魅せたこのプレーに、4万8023人の大観衆も興奮。8年ぶりにニューヨークで行われた東西名門シリーズを大いに盛り上げた。

試合後、ジャッジは「速すぎる。彼はスピードスターだ」と大谷を称賛。「アウトにするつもり」だった送球で刺せず、チームは1点差に詰め寄られたが、ジャッジは直後の攻撃でソロホームランを放り込み即座にリベンジ。ドジャース3連戦を通じて3ホーマー含む11打数7安打と大暴れした。 この3連戦に限っては、13打数2安打とあまり見せ場を作ることができなかった大谷に“勝利”したジャッジだが、二刀流のユニコーンこそが「MLB最高の選手」なのだと認めている。現役選手から何度となく繰り返されてきた称賛ではあるが、22年にシーズン62本塁打のアメリカン・リーグ記録を樹立した現役最強のホームランアーティストが口にすれば響きは違う。

先日、米メディア『ジ・アスレティック』が発表した現役選手の投票でも、全体の46%が大谷を球界最高の選手と回答。昨季は故障でフル稼働できなかったジャッジは、このアンケートでは大谷に水を開けられたが、現時点で再投票すれば両者の差はかなり縮まっているはずだ。

アメリカン・リーグ、ナショナル・リーグでそれぞれMVPを受賞する可能性もある両者が今季再び対決するとすれば、舞台はワールドシリーズ。頂上決戦でのリマッチに期待したい。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。

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