「泣くしかないじゃんこんなの」「おかえりなさい!」奥川恭伸の980日ぶりの勝利にファン感動!好プレー連発の守備陣にも「絶対に守ってやるって気合を感じる」

東京ヤクルトスワローズの奥川恭伸は6月14日、敵地オリックス・バファローズとの試合に先発登板を果たし、5回1失点無四球のピッチングで勝利投手となった。奥川が1軍の試合に登板するのは2022年3月29日の読売ジャイアンツ戦以来808日ぶりで、1軍レギュラーシーズンでの勝利は2021年10月8日の阪神タイガース戦以来980日ぶりとなる。

2021年には史上最年少20歳6か月でのクライマックスシリーズMVPを受賞、日本シリーズ第1戦でも7回1失点と、当時バファローズに所属していた山本由伸を上回る成績を出し、翌年以降も大活躍が期待されていた奥川。しかし次シーズン開幕戦に登板後、右肘痛などで離脱、約2年以上1軍のマウンドから遠ざかっていた。

今季はキャンプから1軍に合流し完全復活に向けて準備を進めてきたが、その後腰痛により再び2軍で調整。6月10日にようやく1軍登録されていた。

約2年ぶりの舞台。初回から味方のエラーなどで得点圏にランナーを置くも無失点で切り抜けると、以降もヒットを許す展開が続きながらも気迫のピッチングと味方の好守備で無失点に抑える。

燕打線も奥川の復帰戦を飾ろうと、同期の長岡秀樹、村上宗隆、サンタナらクリーンナップがタイムリーなどで打点を挙げ、3回までに4点を獲得。4回にバファローズ杉本裕太郎のソロホームランを浴びるも、5回を3人で仕留めるなど最少失点で抑え、5イニング79球を投げたところで勝ち投手の権利を得てマウンドを降りた。

試合はその後、7回にバファローズの森友哉、太田椋のタイムリーで1点差まで迫られ、8回にはヤクルトの5番手木澤尚文が一死満塁のピンチを招くも、若月健矢、代打頓宮裕真を連続三振。直後の9回にはオスナが初球をスタンドへ運び勝負あり。結果的にチームで計13安打を浴びながら3失点に抑え、復活したエース候補の勝ちを消滅させまいとブルペン陣、守備陣が奮起したことが奥川への最高のプレゼントを呼び込んだ。

試合後のインタビューで奥川は、「本当に久しぶりだったので緊張しました」と試合前、そしてこれまでの2年間を振り返り涙を流した。そしてチームに対しても「点数も取ってくれたし守備の面でも助けてくれた」と感謝。ファンへ「今日も本当にファンの皆さんに温かいご声援をいただいて嬉しかった。これからもまた勝ちに向けて腕を振り続けたい。応援よろしくお願いします」と今後の抱負を語った。

復活を待ち望んでいたファンからは、「ナイスピッチング!」「奥川君の笑顔、たまらん泣ける」「スタメンの全員からも絶対に守ってやるって気合を感じる」「無理はさせたくないけどうれしい」「奥川君おかえりなさい!」「まじで号泣した本人が1番くるしかったんだよな」「奥川君が大好きな理由が全部詰まった最高の試合でした」「泣くしかないじゃんこんなの」と歓喜の声が多く上がった。

ヤクルトは試合前時点でリーグ最下位の一方、交流戦では7勝6敗。調子を上げてきている燕軍をさらに勢いづけられるか、復帰を果たした奥川の今後の活躍に注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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