闘病の経験を未来に残す 感謝胸に自費出版 福島県二本松市の住宅リフォーム会社取締役会長 山岡さん

闘病記「がんよありがとう 食道がんからの生還123日」を自費出版した山岡さん

 福島県二本松市羽石の住宅リフォーム業「ハウス・クリニック山岡」取締役会長の山岡省三さん(75)は病と向き合う日々をつづった自著「がんよありがとう 食道がんからの生還123日」を民報印刷から自費出版した。

 昨年8月、人間ドックを機にステージ3の食道がんと診断され、食道全摘手術を受けた。手術に向けた抗がん剤治療など厳しい道のりの中、がんを経験した知人や友人から強い気持ちを持つことの大切さを教わったことで「治療中に力を与えてくれた」と明かす。さまざまな治療は進歩しているが、がんは「深刻な病」という印象が持たれる。心の在り方に悩む人たちに向け、自身の経験を生かし「大切な人たちが生きる未来に何かを残そう」と出版を決めた。

 B6判で、55ページ。約17週間にわたる闘病生活で、病を乗り越えようとする心情や支えてくれた家族に対する思い、患者としての心得などもつづっている。

 二本松市出身。福島工高を卒業し、計約40年、建設業務に務めた。長年培ってきた技術を生かし、古里に貢献しようと2006(平成18)年に現在の会社を立ちあげた。

 山岡さんは「闘病生活を支えてくれた人たちには感謝しかない。がんを心配している人たちに一つの安心材料を届けたい」と話す。

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