米5月小売売上高、予想下回る0.1%増 高金利で裁量支出手控え

[ワシントン 18日 ロイター] - 米商務省が18日発表した5月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.1%増と、市場予想の0.3%増を下回った。4月分は下方改定され、第2・四半期入り後も経済活動が低調だった可能性を示唆。9月利下げ観測が高まる可能性がある。

4月分は前回発表の横ばいから0.2%減に下方改定された。3月分もやや下方改定された。

自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は0.4%増。4月分は0.3%減から0.5%減に下方改定された。コア小売売上高は、国内総生産(GDP)統計に含まれる消費支出と密接に関連している。

5月の小売売上高は、ガソリン価格が下落し、ガソリンスタンドの売り上げが圧迫されたことで、消費支出の減速が誇張された可能性もある。ただそれでも、物価上昇と金利の高止まりを受け、家計は生活必需品を優先し、裁量支出を削減せざるを得なくなっているのが実情だ。

キャピタル・エコノミクスの北米チーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏は「家計は金利上昇に対し、想定されているほど無関心なわけではない」とし、「消費の本格的な落ち込みは予想されていないが、消費鈍化と、これに伴う国内総生産(GDP)の伸びのわずかな減速でさえも、絶妙なバランスを取っている連邦準備理事会(FRB)が9月利下げに傾くのに十分な可能性がある」と述べた。

<部門別では強弱混交>

ガソリンスタンドは2.2%減。建築資材と園芸用品店は0.8%減。家具も1.1%減少した。

サービス部門として小売統計に唯一含まれる飲食店は0.4%減。減少率は1月以来最大だった。前月は0.4%増加していた。

一方、自動車・部品は0.8%増。オンライン売上高も0.8%増加し、前月の1.8%減から反転した。

スポーツ用品・趣味・楽器・書籍は2.8%増。電子機器・家電は0.4%、衣料品は0.9%、それぞれ増加した。

家計消費の重要な指標と見なされる飲食店の売上高は、過去5カ月のうち3カ月で減少。モルガン・スタンレーの米国担当チーフエコノミスト、エレン・ゼントナー氏は「家計が裁量支出を控える中、飲食店の売上高は全体的に失速している」と述べた。

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