マカオで今年3人目の輸入性デング熱感染者確認…患者にタイ渡航歴

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)=本紙撮影

 マカオ政府衛生局(SSM)は6月18日夜、マカオ域内で今年(2024年)3人目の輸入性デング熱感染例を確認したと発表。

 SSMによれば、患者はマカオ半島東望洋新街の集合住宅に居住するマカオ居民の主婦の女性(30)で、同月1日から4日まで旅行のため友人とタイへ渡航していたとのこと。マカオへ戻った後の6月11日に発熱と頭痛の症状が出たことから私立総合病院の鏡湖醫院を受診、15日には全身に発疹が現れ、その後も症状が持続したことから17日に公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)を受診し、同院でデング熱検査を受検。18日に公共衛生研究所による検査結果が判明し、デング熱Ⅲ型に感染していることが確認されたという。目下、患者の容体は安定しており、熱も下がり、入院の必要はないとのこと。

マカオ政府のデング熱予防チームが制作したデング熱を媒介するヒトスジシマカの生態に関するインフォグラフィック(図版:GCS)

 患者はSSMの疫学調査に対し、同行の友人とマカオの家族に類似の症状は出現しておらず、発症後は自宅付近のみで活動し、公園に行ったりや野外活動には参加していないと説明。SSMでは、患者の渡航歴、発症時間、検査結果を踏まえ、輸入性デング熱であると判断するに至ったとし、患者のマカオの自宅周辺に職員を派遣して蚊の駆除を実施するとした。

 SSMは前週、デング熱の高リスクシーズンが到来したとして注意喚起情報を発出したばかり。今回のケースを受け、SSMでは市民に対して適切なデング熱感染予防策を講じるよう再度の呼びかけを行った。昨年のマカオにおけるデング熱感染確認は7例、今年に入って以降のデング熱感染確認例は2月末と5月初頭の2例で、いずれも輸入性事案(患者にそれぞれマレーシア、ブラジル渡航歴)だった。

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