北陸新幹線の与党整備委員会「小浜・京都ルート」堅持 西田昌司委員長「米原ルート再び議論する余地ない」

北陸新幹線与党整備委員会で小浜・京都ルートによる整備促進を訴える西田委員長=6月18日、国会内

 北陸新幹線敦賀-新大阪間の建設促進を図る与党整備委員会は6月18日、本年度第1回会合を国会内で開き、2016年に与党協議を経て決定した「小浜・京都ルート」を堅持し、25年度の着工を目指す方針を確認した。西田昌司委員長(参院京都選挙区)は会合後「米原ルートを再び議論する余地はない」と述べ、石川県の一部などから要望が出ている同ルートの再検討を明確に否定した。

 委員会は昨年12月以来、自民党派閥の裏金事件で委員長を解任された高木毅衆院議員(福井2区)の後任に西田氏が就任して初の開催。委員は福井、石川、富山、京都、大阪5府県の自民・公明両党の国会議員15人で、福井県からは滝波宏文参院議員(福井選挙区)が事務局次長に、稲田朋美衆院議員(福井1区)が委員に就いた。

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 西田委員長は会合終了後に取材に応じ、米原ルートについて東海道新幹線のダイヤの過密さ、北陸新幹線との運行システムの違いなどから合理性が低いと結論付けた16年当時の議論を踏まえ「技術的な課題は現在も克服できていない」と強調。委員からも米原ルートを推す意見はなかったとした。年内に駅位置と詳細ルートを決めるとともに、安定的な財源見通しの確保など「着工5条件」の議論を進めると述べた。

 会合は非公開で開かれ、出席者によると、国土交通省や鉄道建設・運輸施設整備支援機構の担当者が昨年度までに実施した京都府内の地質や地下水などの調査結果を報告した。稲田、滝波両氏は来年度の認可・着工に向け、今夏の概算要求や年末の予算編成での目に見える進展を要望したという。

 福井県敦賀以西を巡っては、地下水への影響や建設発生土への懸念などから京都府内に反対の声があり、認可の前提となる環境影響評価の手続きが遅れていたが昨年中に現地調査が完了。詳細なルートや駅位置を盛り込んだ準備書が公表される段階に進んでいる。

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