湯気と一緒にのぼってくる良い香りがたまらない…!食欲を刺激するのは、喜多方市塩川地域のご当地グルメ「塩川鳥モツ」。醤油ベースに味噌のコクをプラスした味付けだ。ぷりっぷりの食感に、噛めば噛むほど出てくる旨みがたまらない!
モツ煮というとホルモンを想像する人が多いだろうが、ここでは鳥皮を使ったモツ煮のことを「鳥モツ」と言う。
100年ほどの歴史がある伝統の味
大正後期から昭和初期にかけて養鶏業が盛んだった塩川地域。金銭的に商売にならなかった「鳥皮」を家庭で煮込んで食べたことが、「塩川鳥モツ」のルーツだ。もったいない精神から、食品ロス削減にもなっていた。当時は内臓も一緒に食べていたが、いまは鳥皮だけを使っている。
スープにもモツの旨みが溶け込んでいる
あっさり系のしょうゆ味のラーメンにも、「鳥モツ」はピッタリ!「鳥モツ」を煮て出た脂も入っているため、旨みもプラスされている。
この「塩川鳥モツ」はことし、文化庁が制定する「100年フード」に認定された。世代を超えて受け継がれ、長らくその地域で愛される食文化として認められたということになる。
100年を超えて継承することを宣言
「多くの人に知ってもらえる機会になり、うれしい」と話すのは、この「丸市食堂」の店主である栗村 典雄さんだ。実際に、県内外からのお客さんが増えたように感じているという。
栗村さんは、「歴史ある鳥モツを後世に残さねば…!」という強い思いから、2010年に「塩川鳥モツ伝承会」を立ち上げた。会長として、県内外で「塩川鳥モツ」を広めるためのPR活動などを行なっている。
お昼時は、近くの会社員や学生など多くの人で賑わう
さらに、「丸市食堂」の「塩川鳥モツ」を家庭で気軽に楽しめるよう、缶詰も開発!これからの季節は、キンキンに冷えたビールのお供にもおすすめだ。
キャンプに持って行くのも良さそう
伝承会には現在6店舗が加入しているが、その味付けやメニューは店によってさまざま!
ということで、「丸市食堂」から歩いて3分ほどの場所にある「寿司・割烹 新常葉」へ。お寿司屋さんには、どんな「鳥モツ料理」が用意されているのか…?
JR塩川駅から徒歩6分圏内
店主の小池 勝さんが「巻きました!」と出してくれたのは、「塩川トリモツ巻き」。「鳥モツ」を煮凝りにして、太巻きにしたものだ。ショウガやガリ、長ネギ、大葉なども入っているため、さっぱりといただける。
寿司屋ならではのメニュー!汁物、漬物付き
そして「とじました!」と出してくれたのが…人気メニューの「トリモツ親子丼」だ。肉料理と相性の良い「八角」が隠し味に入っているため、少し甘さがあってスパイシー!
「鳥モツ」と卵もよく合う!
こちらにも、店ごとに特徴的な味わいの缶詰が用意されている。自宅で自分だけのアレンジを楽しむのも良さそう!
店の味を家庭でも!
喜多方の地で、世代を超えて受け継がれ愛され続けたご当地グルメ「塩川鳥モツ」。伝承会の6店舗をめぐって、それぞれの自信作を食べ比べしてみるのも楽しそうだ。これから先も進化しながら、100年先も守り続けてほしい…!
Chu!PRESS編集部