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「ふるさと納税」は、地方に寄付することで税金の控除が受けられ、さまざまな返礼品がもらえるお得な制度です。物価上昇が続くなか、実質的な手取りをできるだけ多くする方法はきわめて重要です。23歳で税理士登録をし、平均年齢60代の税理士業界で九州最年少税理士となった安江一勢氏の著書『26歳の自分に受けさせたいお金の講義』(すばる舎)から、一部を抜粋して紹介する本連載。安江氏が、ふるさと納税の仕組みとその恩恵、注意点について解説します。
多くの人が勘違いしている…ふるさと納税は「節税」ではない
節税ではないものの「使えるお金を増やす」ことができる制度である「ふるさと納税」をお伝えしていきます。
あなたはふるさと納税をしていますか? 最近、CMなどでも広く広告されているため、名前くらいは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
ふるさと納税には正直、デメリットがありません。毎年限度額があることを考えると、早くはじめればはじめるほど得をします。まだやっていない方は、いまからはじめてみましょう。
勘違いをしている人がとても多いのですが、ふるさと納税は「節税」ではありません。知識のないエセお金の専門家は、ふるさと納税のことを節税だと言っている人も多いですが、まったく節税にはなりません。
しかし、ふるさと納税は、あなたの家計を助けてくれて、結果として手取りも増えます。やらないともったいないくらい、いいものです。
住民税を払えばお礼がもらえる
ふるさと納税の仕組みとしてカギになるのが「住民税」です。私たちは住民税を、いま住んでいる住所の都道府県と市町村に納税をします。
ただ当然ですが、住民税の納税をしたからといって、何か自治体からお礼がされることもありません。そんななか、ふるさと納税は指定をした自治体に住民税を納付する制度です。これをおこなうと、その自治体からお礼として「返礼品」が届きます。
お肉やお米、スイーツなどの食料品から、筆箱や旅行券などの変わったものまで、その自治体独自のモノを受け取ることができます。
ふるさと納税をしなければ、ただ住民税を納付するだけのところが、ふるさと納税をすることで、モノをもらうことができるので、そのぶん家計費を抑えることができるのです。
たとえば返礼品でお米を選んだ場合には、そのお米ぶんの食費が減るはずです。すると、毎月の給与額は変わらなかったとしても、その食費分のお金が浮きます。これにより、自由に使えるお金を増やすことができるのです。
どうですか? 納税をするだけでモノがもらえるなんて、魅力的ではないですか。それも本来納めるべき納税で、です。その自治体に納めるというひと手間はあるかもしれませんが、自分が納めた税金で何かがもらえると思うと、そのひと手間は楽しくできそうですよね。
注意点としては、年収に応じてふるさと納税することができる金額に限度額があるということです。これは、年収が高ければ高いほど増やせます。高額納税者は100万円単位でふるさと納税をすることもでき、仕事をがんばっている人の特権と言ってもいいかもしれません。
ふるさと納税のはじめ方としては、まずはインターネットで「ふるさと納税」と検索をし、「さとふる」「ふるさとチョイス」などの出てきたプラットフォームで、はじめてみてOKです。プラットフォームでの差はそれほどないので、なんとなく好きなところで問題ありません。
なお、どこにふるさと納税をしたらいいかわからない人は、まずはあなたの故郷や旅行で行って魅力的だった地域へ行ってみましょう。金額も3000円くらいからはじめられるので、まずはやってみることが大切です。
また、会社員の方は、その申請の際に「ワンストップ特例制度を利用する」という項目にチェックを入れておくと、確定申告などのその後の面倒な手続きをすることなく、ふるさと納税をおこなうことができます。
まずはやってみて、モノが届く楽しみを実感することから体験してみましょう。一度はじめると、ハマってしまうかもしれませんよ。
安江 一勢
税理士