【C大阪×浦和戦】11位後退・浦和レッズが再浮上するために必要なもの(1) 「得点を奪えない」悪循環とGK西川の「位置」、CB佐藤に求められる「辛抱」

史上3人目のJ1通算600試合出場を成し遂げたGKの西川周作。ちなみに、歴代1位は672試合の遠藤保仁、2位は631試合の楢崎正剛である。撮影/重田航

明治安田J1リーグ第18節、セレッソ大阪(以後、C大阪)対浦和レッズ(以後、浦和)戦が、ヨドコウ桜スタジアムで行われた。試合は2-1でC大阪が勝利し、2カ月ぶりとなる勝ち点3を手にした。
それまで勝点25で並んでいた両チームだったが、C大阪が6位に順位を上げ、逆に浦和は10位に後退した。浦和が4試合ぶりの勝利を目指した白熱の一戦を、得点シーンを中心に分析しよう。

■開始から浦和ペース「前田直輝らがシュート」

C大阪は前節からオランダ1部リーグ、AZアルクマールへの今夏の完全移籍が秒読みとなった毎熊晟矢と、奥田勇斗を変更。

浦和は、前節から出場停止のアレクサンダー・ショルツに代えて佐藤瑶大を、オラ・ソルバッケンに代えて大久保智明を起用した。
雨中の一戦は、試合開始から浦和ペースで進められた。
12分には前田直輝のシュートが、さらに16分にはチアゴ・サンタナのシュートが、ゴールの枠を外れていく。また、33分には伊藤敦樹のシュートをC大阪の西尾隆矢がブロックした。
今季の浦和のパターンとなってしまった「チャンスは作るが、得点は奪えない」という繰り返しが、この試合でも顔を出す。
そんな中、C大阪に先制点が生まれる。

■ルーカス・フェルナンデス「FKが決まった!」

42分にルーカス・フェルナンデスがハーフウェーラインを少し越えた場所からフリーキックを決める。
この場面は、ゴールキーパー(以後、GK)の西川周作がポジショニングを2~3歩前にとっていた。
浦和は、一列のゾーンで守備しつつ、相手のキーマンにマークをつける。
西川は、GKとディフェンダーの間にボールが蹴られると予想して、少し前めにポジショニングして準備をしていた。それもファーサイド寄りに蹴るだろうと考えた。

しかし、フェルナンデスのキックはニアサイドに来たので、ボールに触れなかったのである。

47分には、左サイドに流れたボールにレオ・セアラが追いついて、佐藤と1対1になる。
セアラは佐藤の股を抜いてボールを転がして、一気にゴールに向かう。西川がボールを弾いて事なきを得るのだが、追加点を奪われかねない危険な場面だった。
センターバック(以後、CB)がサイドにケアに行った場合、自分がいたポジションが空いてしまうので、味方が自陣に戻ってくる時間を稼がなければならない。
佐藤は、右足を出してボールを取りにいっている。ここは、無理にアクションを起こさないで、辛抱強く対処するべきである。

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